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猫の皿「絵高麗」/柳家小三治・唐物茶碗・梅鉢茶碗 

●2021年10月 柳家小三治最後の演目 

『江戸落語の巨星落つ』 

2021年10月7日、落語家で人間国宝の柳家小三治が81歳で亡くなった。これで落語家として人間国宝に指定された全員が亡くなってしまった。柳家小三治という名前は十代目で、1969年に十七人抜きで真打昇進の名人である。編集子は直接、小三治の落語を直接聞いたことがないのだが、高座では「マクラ」の時間が割に長い噺家だったそうである。「マクラ」とは、本編の話を始まる前に演目に関する前置き・余話のことだが、この話によって寄席の客席を「小三治」の空気にしてしまう噺家だったそうである。最後の高座は亡くなる五日前の10月2日、東京都府中市・府中の森劇場で演目は「猫の皿」であった。柳家小三治の遺作になった、この「猫の皿」とはなんぞや。 

●落語・猫の皿 

ある骨董商が地方の茶店に入り、腰をおろすと店の爺さんが茶を持ってきた。ふとみると、この店には猫が飼われており、ちょうど猫もごはんの時間だったらしく皿の飯を食べていた。骨董商はその猫の飯がのっている皿が「絵高麗の梅鉢」という値打ちもので、三百両から千両、二千両になる可能性がある皿だと気づいた。さてはこの店主は皿の値打ちを知らないのだろうと思い、その猫を三両で引き取ると申し出る。渡すのを渋る爺さんだったが、なんとか三両を渡して猫をもらい受ける事が出来た。さらに骨董商は「猫は食べなれてない器では餌を食べないだろうから、この皿も一緒にもらっていくよ」と言うと、店の爺さんは別のお椀を渡すと言う。骨董商は「この猫はこの皿が好きみたいだ」と食い下がるが、店の爺さんは、これは珍しい「絵高麗の梅鉢」で三百両の値が付くのでこれは手放せない、と言う。骨董商は「何でそんな高価な皿で猫に飯を食わせるのか?」と聞くと、こうしていると時々猫が三両で売れます、と爺さんが答えたというオチ。 

●絵高麗の梅鉢 

では、絵高麗の梅鉢とはどのような陶器か?「絵高麗」とあるので、高麗つまり朝鮮の陶器か? 

じつは朝鮮の陶器ではなく、中国の磁州窯で焼かれたものと推定されており、白い化粧土を掛けた上から、線模様を青い呉須または茶色の鉄絵の具で入れてあるものが一般的である。高麗を通って渡ってきているので、絵高麗という名称となった、という説がある。 

「梅鉢」とは、絵高麗の線模様に加えて、七つの点で花をデザインした模様が加わっており、これが梅花に似ているので「梅鉢」と呼ばれている。 
それでは、なぜ鉢がこれほど知られていたかというと、この皿状の器であるが日本の茶人により抹茶碗として見立てられて、茶席で使われていたからである。実際に伝世の「絵高麗梅鉢/茶碗」は、東京・五島美術館、東京・三井記念美術館、大阪・湯木美術館の収蔵となっているものがある。しかし、いずれも元々は食器としての皿または鉢として作られた生活雑器である。なぜ生活雑器と判断できるのかというと、見込の丸いリングにある。このリングは釉薬がぬぐい取られている。それは焼成前に器を重ねておいていくための工夫である。現在の陶芸窯では、棚板という耐火度の高い板を置いて、そのうえに釉薬をかけた焼成前の器を置いている。棚を多く用意することで、同時に多くの陶器を焼成できる。しかし、以前はこうした棚がなかったので、たくさんの器を同時に焼くためには、焼成前に積み重ねておく必要があった。そのために、高台と同サイズのリング状に釉薬を剥がしておくことで、上に乗せた器が釉薬によって融着することが防止できる。こうした多量に焼成された雑器なのであるが、茶人が茶碗として使い始めることによって、より多くの茶人が愛する茶碗として認められていったのである。そして、落語にまで登場する名碗となったのである。 

 

 

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