伊東深水とはどのような人物?画家としての実績や作風・特徴、代表作

三大美人画家の一人として知られる伊東深水。大正から昭和期に活躍した日本画家、版画家です。宝塚出身の女優である故・朝丘雪路の父親としても知らていました。鏑木清方に師事し、伝統的な浮世絵の美意識を受け継ぎながら、現代的な風俗を捉えた繊細で柔らかな「美人画」で高い人気を博しました。伊東深水が描く、繊細な線描、鮮やかな色彩は今なお高く評価されています。今回は美人画で人気がある伊東深水についてご案内します。
▼この記事でわかること
・伊東深水とは?
「美人画の三巨匠」の一人に数えられ、新版画運動の旗手として、また美人画を通じて近代日本画の発展に貢献した画家です。
・伊東深水の作風や特徴
浮世絵の伝統を継承しつつ、時代の流行を瑞々しく取り入れた現代的な女性美と卓越した描写力を発揮しました。
・伊東深水の代表作
「対鏡」「指」「ささやき」と、それぞれの制作背景や見どころについてご紹介します。
伊東深水とは?
伊東深水は、師である鏑木清方、女性日本画家・上村松園とともに「美人画の三巨匠」の一人に数えられる日本画壇の重鎮でした。苦学の末に若くして才能を開花させ、瑞々しく色香の漂う現代的な女性美を確立しました。日本画のみならず、衰退していた木版画を芸術として再興させ、川瀬巴水や橋口五葉らとともに「新版画運動」の旗手としても知られ、魅力的な版画でも人気を博しました。
●伊東深水の生い立ち
1898年、東京の深川に生まれました。幼少期に家計が困窮したため小学校を中退して、看板屋や東京印刷株式会社の印刷工として働きながら独学で絵を志ました。
13歳で美人画の巨匠・鏑木清方に入門し、早熟な才能を発揮します。伝統的な浮世絵の技法を継承しつつ、現代的な女性の美しさを追求し、その後、日本画壇の重鎮として確固たる地位を築きました。
【画業の歩み】
1898年(明治31年)東京深川(現・江東区)にて誕生。本名は伊東 一。
1911年(明治44年)鏑木清方に師事。故郷(深川)と師の名前(「清」の偏の「水」)から一字ずつ取り「深水」と号する。
1912年(大正元年)巽画会展にて「のどか」が初入選を果たす。
1914年(大正 3年)再興第1回院展で「桟敷の女」が入選。これを機に本格的な画家人生を歩み始める。
1916年(大正 5年)版元・渡邊庄三郎の誘いで初の木版画「対鏡」を発表。新版画の第一人者となる。
1927年(昭和 2年)第8回帝展で「羽子の音」が特選を受賞 画塾・朗峯画塾を開設。
1932年(昭和 7年)山口蓬春らと青々会を設立。
1933年(昭和 8年)帝展の審査員に就任。
1943年(昭和18年)海軍報道班員として東南アジアへ。4,000点以上のスケッチを残す。
1948年(昭和23年)「鏡」で日本芸術院賞を受賞。
1950年(昭和25年)奥田元宋らと日月社を結成。
1958年(昭和33年)日本芸術院会員に推挙される。
1972年(昭和47年)逝去
●伊東深水の実績
東の鏑木清方、西の上村松園と並び、近代美人画の三巨匠(三大美人画家)の一人として知られています。浮世絵の伝統を近代的な日本画へと昇華させた功績は大きいと評価されています。特に版元・渡邊庄三郎と共に展開した「新版画運動」では、衰退していた木版画を芸術作品として再興させ、川瀬巴水や橋口五葉らとともに新版画の旗手として世界的に高く評価されています。戦前は文展、戦後は日展への出品で注目を集めています。主に人物画を中心として描きましたが、静物画や版画での風景画など、デッサン力を発揮した作品が多岐にわたります。作品は現在、全国の多くの美術館が所有しており、たとえば東京・山種美術館、愛知県・名都美術館などの展覧会で見ることができます。
伊東深水の作風・特徴
伊東深水の作風としては、時代と共に変化する瑞々しい美人画を描いたこと、技法へのこだわり持ち日本画を描き、さらに当時発生した新版画へ大きく貢献したこと、見る者を魅了する美人画の枠を超えた卓越した描写力、が挙げられます。
●時代と共に変化する瑞々しい美人画
深水の美人画は、伝統的な浮世絵の系譜を継承しながらも、その時々の時代風俗を鋭く取り入れた点が特徴です。大正期には情緒的で物憂げな女性像を描き、昭和期には流行を反映した快活でモダンな女性像を確立、戦後はさらにデザイン性を感じさせる幅広い表現を模索するなど、独自の美人画を追求しました。
●技法へのこだわりと新版画への貢献
深水は、制作においては素材選びも重視したと言われています。特に「絹本(けんぽん/絹に描かれたものを絹本、紙に描かれたものを紙本と呼ぶ。日本画の場合、一般的に絹本の作品のほうが、評価が高い傾向がある)」に描かれた作品は繊細な質感が際立っています。肉筆画だけでなく「新版画運動」の旗手としても活躍しており、版元と協力して芸術性の高い木版画を次々と生み出し、浮世絵の伝統を近代的なアートとして再興させました。
●美人画の枠を超えた卓越した描写力
深水の描写力は風景画や風俗画においても高く評価されています。初期には庶民の生活を題材とした作品を手がけ、新版画では浮世絵の系統を引く「近江八景」などの風景版画の名品を残すなど、多作な画家としても知られています。また、従軍画家として太平洋戦争の戦時中に南方で描かれた膨大なスケッチからは、対象を正確に捉える驚異的な観察眼が見て取れます。
伊東深水の代表作は?
ここでは、伊藤薪水の代表作の一部として、「対鏡」「指」「ささやき」の三作品について、それぞれの制作背景や見どころについてご案内します。その他の深水の作品についても、そのタイトルを最後の「Q&A」の項目に掲載しておきますので、機会がありましたら、ぜひご覧ください。
●対鏡(1916年)
新版画運動の幕開けを飾る初期の木版画です。鏡に向かって髪を整える赤い着物の女性が情緒豊かに描かれています。若き日の深水による瑞々しい感性と、後の美人画に通じる情感あふれる名作といえるでしょう。
●指(1922年)
妻の好子をモデルに、湯上がりの女性が指先で何かを指し示す何気ない仕草を捉えた作品です。平和記念東京博覧会で二等銀牌を受賞し、深水が美人画家としての地位を不動のものとするきっかけとなった作品です。
●ささやき(1959年)
晩年の深水が到達した美人画の集大成といえる作品です。華やかな装いの女性二人が親密に言葉を交わす場面を描いています。潤いのある艶やかなまなざしが印象的な作品です。
美人画の巨匠・伊東深水の作品はございませんか? ご処分・ご売却はぜひこたろうにご相談ください
以上でご紹介したように、大正から昭和時代に、美人画を中心として名作を描いた日本画家の代表が伊東深水です。伊東深水は、若いころから作品を発表し、また新版画でも数多く製作されています。また、日本画をもとにしたリトグラフ作品も多く製作されています。もちろん、肉筆の日本画が高価な作品ですが、近年製作されたリトグラフでも美術品としての価値はあります。
お手元に伊東深水の作品はございませんか。もう飾らなくなった日本画、しまわれていた版画作品など、ご処分・ご売却の際はぜひ、こたろうまでご相談ください。
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伊東深水に関するQ&A
A.「鏑木清方」、「上村松園」、「伊東深水」の3名が「美人画の三巨匠」と称されています。時代風俗を文学的に描いた清方、格調高い気品を追求した松園に対し、深水は現代的で瑞々しい女性美を表現したことで知られています。それぞれ独自のスタイルを確立し、江戸時代の浮世絵から続く美人画の系譜を芸術の域まで高めた、日本美術史を代表する画家たちでした。
A. 宝塚出身の女優である故・朝丘雪路が伊東深水の長女で、長男に日本画家・伊東万燿がいます。朝丘雪路は1935年に生まれており、本名は伊東雪子です。宝塚退団後は、歌手・映画・舞台・テレビ番組などで活躍しましたが、2018年にお亡くなりになっています。
A.先にご紹介した「対鏡」「指」「ささやき」のほか、「湯気」(1917年頃/湯上がりの女性を描いた作品)、「髪」(1921年/現代美人集より・長い黒髪を整える女性を描いた作品)、「聞香」(1930年代/香りを楽しむ女性を描いた作品)、「清方先生」(1951年頃/師である鏑木清方を描いた作品)、その他、日本画の「吹雪」、木版画として「初夏の庭」「信濃十景」などが伊東深水の代表作です。
A. 伊東深水の師としては、やはり日本画・美人画の巨匠・鏑木清方です。歌川浮世絵の伝統を汲む鏑木清方の門下となり、同門に志村立美・山川秀峰がいます。ここで挿絵や版画の技法を学び、身に付けています。とはいうものの、清方の技法をそのまま伊東深水が引き継いだのではなく、深水独自の技法へと昇華させています。
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