絵画の価値基準や価格を決めるマーケット、鑑定や買取の注意点
絵画とは、色彩や形を用いて、視覚的に表現された芸術作品のことを指します。絵画は、人類の歴史の中で過去から現在まで、非常に長く存在しており、洞窟壁画や古代のフレスコ画などがその起源とされています。一般的に、絵画を職業として描いた方が画家ですが、副業として絵画を描く方も最近では多数います。そのため、美術市場に流通している絵画は、多岐多様となっており、さまざまな作者、ジャンルの絵画が日夜生み出されています。また、新品の絵画のみならず、中古作品も美術市場で流れています。
ちなみに、絵画の一ジャンルとして、イラストがあります。もともとイラストは視覚的に情報を伝えることを目的としており、文章だけでは伝えにくい内容を補足し、理解を助けるものでした。しかし、近年ではイラストそのものが絵画としての価値を生み出すようになりました。また、作者のイラストレーターは、画家同様の職業して認知されるようになっています。
さらに、絵画のジャンルについて詳しく知りたい方は以下の記事もご参照ください。
当社お役立ち情報記事名:絵画の種類にはどのようなものがある?題材や流派などによる分類
URL:https://kotto-kotaro.com/news/detail/kaiganosyirui/
絵画の価値基準
「これが高い絵だ!」「いくらの絵だろう」。
世の中に多数流通している絵画ですが、その価値はどのように理解すれば良いのでしょうか。ここでは、絵画価値の判断基準や希少価値のある絵画についてご紹介します。少し複雑なところはありますが、どんな理由で価値が決まるかをご理解いただけます。
ただし、現在、絵画として流通しているものの中には、巧藝画(工芸画)・複製画・ポスターといった印刷された原画のレプリカ絵画作品も多数あります。さらには、購入者を騙す意図が強い贋作・偽物が存在します。また木版画やシルクスクリーン、リトグラフなどは、こうした原画を複製した作品ではありますが、原則として作者の直筆サインが入ったものでなければ、美術作品としての高い価値がないことを認識しておくことが必要です。
●有名な作家かどうか
そもそも、「有名」とはどのような意味でしょうか。有名とは、(1)知名度が高いこと:多くの人に名前や存在が知られている状態、(2)評価が高いこと:単に多くの人に知られているだけでなく、その対象が高く評価されている場合、(3)歴史的・文化的に重要:歴史や文化の中で重要な位置を占め、展示されて多くの人々に知られている有名作品、などとなります。
美術市場で数多く流通している有名作家の絵画では、(1)と(2)が該当し、特に有名な作家や業界で評価の高い作家の場合、高額で取引されています。(3)では、2017年、オークションで約510億円で落札されたレオナルド・ダ・ヴィンチ作「サルバトール・ムンディ」が世界中で注目され、記憶に新しいものと思います。有名日本人アーティストでは、草間彌生、藤田嗣治、山下清、村上隆などが知られており、世界的にはピカソや日本での販売活動が盛んだったクリスチャン・ラッセンなどの作家をご存じの方は多いと思います。
もっとも、こうした知名度が高い有名な作家の場合、偽物が流通している場合が多く、絵画が本物でないと価値はありません。所定鑑定機関が登録した鑑定書があれば万全です。
ただし、実際の美術市場では、有名でない作家の作品も流通しています。それは、もともと絵画が趣味性の高いものであり、所有者個人の価値観で好きとなり、趣味嗜好に沿ったものであれば、作者名にこだわらず絵画は購入されています。したがって、無名作家の絵画であっても、ご処分される場合は、買取してもらえることがあります。
●希少性が高いか
一般的に、制作年代が古ければ古いほど希少性が高く、絵画としての価値も高くなる傾向にあります。希少性が高くなる要因には、作品の枚数が少ない、流通した数が少ない、などが挙げられます。作品の数々は時間により損壊する可能性があります。所有者の管理が不十分だったことのみならず、火災・地震・戦争などによって絵画が失われたという現実があります。もともと、作者自身の制作した作品数が少なかった人気作家の場合には、その傾向は顕著です。
●絵画の状態が良いか
中古作品では大きい問題となることですが、保存状態は価格に大きく影響します。適切な状態で保存された作品は劣化が進んでいないため、価値が高まりやすいものとなります。状態の善し悪しは、絵画の破れ、画面の汚れや変色、紙面の黄ばみやシミ、絵の具や顔料の亀裂や剥落の程度で判断されます。極端に言えば、劣化が著しい場合、ほとんど価値がなくなることがあります。
●絵画のサイズがどれくらいか
絵画のサイズや形状は価格に影響します。同じ作家の中でも大きな作品や特殊な形状の作品は高額となることが一般的です。ただし、中古作品の場合、実際に売買される価格は大きさに比例しないという現実があります。それは、室内に飾る場合、大きなサイズの絵画が飾れる壁面があまりないという近年の住宅事情があります。かつて洋画では号あたり単価で評価することが一般的でしたか、昨今ではサイズより画題・モチーフや技法により、価値が左右するケースが増えています。
●需要があるかどうか
流行や再評価などによって、特定の作家やスタイルへの需要が高まることがあります。美術館で作家の展覧会・回顧展が開催されたり、マスコミによる報道が流行やトレンド、再評価を生じさせます。このとき、買い手であるコレクターの需要が喚起され、作品の供給を上回る場合、需要と供給の関係が動いて価格が高騰したり上昇する可能性が大いにあります。昨年、棟方志功生誕120年記念展が各地で開催され、再注目されたことは記憶に新しいことです。ただし、人気がありすぎて転売する方が多くなると、需要も上下します。
●どんなルートで入手したか
過去に所有した人物が著名人であれば、その所有した来歴自体に価値が生まれている可能性があります。著名なコレクターから譲り受けた、偉人から譲り受けた、ということですが、政治家や皇族、小説家や芸能人などの手にわたってきたものであれば、美術的に価値が付加され、高額取引となるケースがあります。
絵画の価値の決まり方
絵画を含むアート市場には作品の値段を決める2つの市場があります。それは、プライマリーマーケット(一次市場)とセカンダリーマーケット(二次市場)になります。ここではこの2つの意味をご案内します。
●プライマリーマーケット(一次市場)
こちらは、画家が新作を売る市場のことで、ギャラリーや作家の個展などで販売されるのが一般的です。百貨店や画廊を持つギャラリスト以外にも、全国各地で会場を借りて販売する美術商もいます。主に絵画の大きさ(号)によって作品の値段が決まるのですが、作者と販売者が相談して販売価格を定める仕組みになっています。作者によっては技法により販売価格を変えているケースがあります。
●セカンダリーマーケット(二次市場)
一次市場で画家から他の人の手に渡った作品が、再度売りに出される市場のことです。オークションに出品されている作品やブローカーから購入する作品を指すことが多いのですが、現在では、一般の方が買取業者に所有の絵画を処分して、それがこちらのマーケットに多くの絵画が流れ込んできています。
画商がマーケットで仕入れた金額をベースに小売価格を決定するので、同じ作家・同じサイズでも作品の人気によって金額は異なり、さらには売りに出されるタイミングによって価格は変動しており、明確な基準がない場合も生じています。
絵画の鑑定や買取を依頼するときの注意点
当社では、資産として親族から譲り受けたり、遺品として継承した趣味の絵画を整理希望で、お問合せを多数頂いています。美術品に素人で、入手時点の価値がわからないものであれば、ご処分も不慣れだと思います。また、投資としてご自分で購入した絵画でも、値上がりを期待したり、逆に現在の価値とかけ離れてしまっていることで、資産価値の判断に悩まれるケースがあると思います。ここでは絵画のご処分で、鑑定や買取を依頼するときの注意点を挙げてみます。
●信頼できる買取業者を選ぶ
業者選びや調べ方では、インターネットを利用して買取専門業者のホームページを検索して、確認しましょう。絵画を専門に買取していたり、絵画に精通した鑑定士がいたりする絵画買取や美術品買取専門店に依頼することがベストです。ホームページに掲載している鑑定や買取の品目、買取実績などをチェックしましょう。実際に電話して電話対応が安心できる業者か、専門知識はあるかなどを確認すると良いと思います。
ご自身の手間や都合を考慮して、来店しての店頭買取や自宅への出張買取、宅配買取など買取方法の対応可能性を確認します。場合により、委託販売に応じてくれたり、相談への対応が良さそうなところをお選びください。その他、営業日や年末年始・年中無休であるとか、利用者の口コミ、評判、接客の様子やお客様満足度、おすすめポイントやよくある質問、コラムページ、お知らせなどもご確認ください。また期間限定のキャンペーンなどの情報も検討ポイントです。
●絵画は丁寧に取り扱う
・良好な保存状態を保つ
日焼けやシミ、カビなどに注意しましょう。絵画は湿気に弱いため、風通しが良い場所に保管することがよいでしょう。
・絵画は縦にして収納する
絵画を横にして重ねたり、他の荷物の下に置いたりすると、反りが生じたり、カラス面・アクリル部分が破損すると、絵画の面にまでキズが達します。
額縁の角やガラス面やアクリル面の保護も必要で、箱や袋がある場合には、入れたまま保管することがよいでしょう。
・付属品をすべて揃えておく
1つでも部品が足りないと絵画の価値が下がる可能性があります。絵画に付属品がついているのであれば、査定のときには、これらをまとめて提出します。
付属品の例としては、もともとの額はもちろんのこと、箱、黄袋、付属する書類(鑑定書・保証書・購入時の販売証明書等)などとなります。
●お手入れを軽く行い、綺麗な状態にしておく
査定に出す予定があれば、その前に手入れも忘れず行いましょう。美術品を自宅に飾っていたり、押入れなどに仕舞い込んであり、ほこりや汚れがついている時には、乾拭きの布でさっと拭き取り、可能な限りきれいな状態にしてください。汚れた印象があると、査定価格も下がってしまいます。
絵画のご処分・ご売却は、価値を把握し、業者を見極めて相談しましょう!
以上、絵画の価値を理解する方法と鑑定・売却するときの手順、業者を選ぶコツについてご紹介しました。今すぐに、絵画をご売却しようというお考えでなくとも、そのようなタイミングが来る前にも確認したいポイントですので、絵画をご所有であれば、覚えておいて損はありません。これで皆さんも何かのきっかけで、「自宅の物置から祖父の集めていた絵画が出たけど、お金になるかな?」といった時にも大丈夫ですね。それでも、もし迷ったら、ぜひ骨董品買取こたろうにご相談ください。
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