絵画の種類にはどのようなものがある?題材や流派などによる分類
ダビンチ、ゴッホ、ピカソ。美術史に残る誰もが耳にしたことがある絵画の巨匠です。そして、彼ら作家の作品、「モナリザ」「ひまわり」「ゲルニカ」などを見た方も多いと思います。さらに美術館やギャラリーで目にする彼らの絵画以外にも、身近に絵画をおいて楽しまれている方は多いと思います。絵画はさまざまな観点から分類できますが、西洋絵画・日本の絵画について整理してみたいと思います。絵画の見方、さらにはより深く知るための参考としてお読みください。
絵画の種類①:題材やテーマ
絵画は描く対象よって呼ばれる名称があります。また、それは画家の得意分野であったりすることもあります。まずはじめに、題材やテーマから見た絵画の種類をご紹介します。
●静物画
静物画は静止した自然物や人工物を題材とした絵画作品です。切り花や果物、器、楽器といった、それ自体は動かないものを卓上や室内外に自由に配置して描いた絵のことです。風景画や人物画と異なり、描く対象を画家が自由に構成できるのが大きな特徴です。
代表作① 作者:フェーデ・ガリツィア 代表作:静物
代表作② 作者:エドゥアール・マネ 代表作:アスパラガスの束
●風景画
風景画は自然の描写、自然の要素を描くことが中心となります。
山、川、湖、森林、草原、空、建造物、都市など、さまざまな自然の要素が風景画の対象となります。
代表作として、クロード・モネ『睡蓮』 やゴッホ『夜のカフェテラス』があります。
●肖像画
肖像画は、通常、特定の人物の顔姿やを描いた絵画です。かっては描かれた人物の注文による制作がほとんどでした。
肖像画は特定の人物を描写するため、その人物の外見や特徴を極力忠実に再現します。顔の表情、髪型、服装なども原則として見たままで描かれます。
代表作として、レオナルド・ダ・ヴィンチ『モナ・リザ』やフェルメール『真珠の耳飾りの少女』があります。
●人物画
人物画は、一人、または複数の人物の顔姿を描いた絵画です。
肖像画と似ていますが、必ずしも特定の人物を忠実に描いたものではなく、顔姿をデフォルメしたり、服装や背景を実際のものと変えることがあります。また、顔姿を一から創作で描いた人物画もあります。
代表作として、クロード・モネ『散歩、日傘をさす女』やミレー『落穂拾い』があります。
●宗教画
宗教画は、主に宗教的なテーマやを描いた絵画です。例として、聖書にまつわるテーマで、聖書のエピソードや聖書の登場人物、キリストの生涯や奇跡、聖母マリア、牧師たちなどが頻繁に描かれました。
代表作として、レオナルド・ダ・ヴィンチ『最後の晩餐』やミケランジェロ『最後の審判』があります。
●歴史画
歴史画は、歴史的な人物、戦争、政治的な出来事、宗教的な出来事、文化的な変革など、主に多くの人々に知られている出来事や語り継がれている出来事、記録に残っている出来事を絵画で表現したものです。実際に、作者が目にしていない出来事が多いため、主に想像による描写となります。また、実際に作者が目にした出来事でもデフォルメされて描くことはあります。
代表作として、ドラクロワ『民衆を導く自由の女神』やルイ・ダヴィッド『皇帝ナポレオン1世と皇后ジョゼフィーヌの戴冠式』があります。
●風俗画
風俗画は、庶民の普段の生活を描写し日常生活のさまざまな面を描いた作品のことです。 表現は写実的なものから理想化あるいは想像されたものまで様々にあります。
代表作として、ラ・トゥールの『ダイヤのエースを持ついかさま師』や日本で江戸時代に作られていた浮世絵などが相当します。
上記以外にも現代では抽象画が多く描かれるようになっています。
絵画の種類②:表現の流派
絵画には時代を背景として、同様な作例を用いる流派が生まれてきました。ここでは、洋画の代表的な流派・画派について解説いたします。ここで紹介する複数の表現の流派が、キュビズム、フォービズム、シュルレアリスムなどの表現につながり、現代美術に影響を与えていくことになります。
●新古典主義
新古典主義は、18世紀後半から19世紀初頭にかけての芸術・文学・建築の運動であり、ギリシャ・ローマの古典主義に回帰しようとする試みを向きます。古代ギリシャとローマの芸術、哲学、建築を賞賛し、それらに影響を受けた作品を制作しました。
代表的な作者としては、ジャック=ルイ・ダヴィッド、ドミニク・アングルなどがいます。
●ロマン主義
ロマン主義は、18世紀末から19世紀初頭にかけて、ヨーロッパを中心に進んだ芸術・文学・哲学・音楽運動などの運動です。新古典主義の理性的秩序立ったアプローチに対する反動として発展しました。 ロマン主義の特徴としては、人々の感情や個人の内面に焦点を当てました。人間の感情や個性を自由に表現することに力を入れていました。
代表的な作者としては、テオドール・ジェリコー、ウジェーヌ・ドラクロワなどなどがいます。
●写実主義
写実主義は、19世紀半ばから後半にかけて、主にフランスで始まった芸術運動や文学運動芸術です。この運動は現実を客観的に描写し、社会問題や現実の生活を選び、真実の本質や真実を追求することを目指しました。
代表的な作者としては、オノレ・ドーミエ、ジャン=フランソワ・ミレーなどがいます。
●印象派
印象派は、19世紀後半にフランスで興った芸術運動で、主に絵画において新しいスタイルとアプローチを提案しました。印象派の名前は、その作品が一瞬の印象や光の変化を試みたことに由来します。印象派では色彩、光の効果、自然な描写に焦点を当てました。
代表的な作者としては、クロード・モネ、フィンセント・ファン・ゴッホなどがいます。
●抽象派
抽象派とは、再現描写よりも作家の独自の感性、世界観を重視し絵を描くグループです。
具的な対象や形態を排除し、非具象表現に重点を置きます。抽象的な視覚、視覚的な要素や感情を強調た作品を描きました。
代表的な作者としては、ワシリー・カンディンスキーなどがいます。
絵画の種類➂:表現技法
絵画では、大きく油彩画、水彩画、アクリル画、日本画の技法や画材を軸に分類されることが多くなっています。ただし、現代ではこれらの技法を混在させた、『ミクストメディア』と呼ばれる技法を用いる画家も出ています。今回、詳細には説明しませんが、クレヨンやパステルなどの絵の具で描いた作品やペン画などもあります。さらには原画をもとに制作される技法として、版画があり、木版画、シルクスクリーン、リトグラフなども、絵画として流通しています。
●油絵/油彩画
油絵は、顔料に加える油を結合剤として使用する絵画技法です。一般的には、木枠に布を貼ったキャンバスに描きます。この技法は欧州の絵画で特に広く用いられ、歴史的な絵画や多くの有名な絵画が油絵で制作されています。 絵の具を塗り重ねるため、立体的で重厚感のある表現が可能です。作者自身で絵具の調合が可能であり、豊かな色彩は魅力の一つです。
代表的な油絵の作品としては、フィンセント・ファン・ゴッホ『ひまわり』があります。
●水彩画
水彩画は、絵具を水と混ぜて薄め、透明な層を重ねたり、柔らかいタッチで描くことができる技法です。水彩絵の具は乾燥が早く、透明感と優しい質感が魅力です。一般的には、紙・画用紙に描きます。
水彩画はイギリスで18世紀に生まれた技法ですが、海外ではあまり著名な作品はありません。しかし、日本では子供の絵を描いた、いわさきちひろの作品が私達にとって一番馴染み深い技法と思われます。
●アクリル画
アクリル画は、乾燥性に優れたアクリル絵の具を使用した技法です。絵の具は水性のため、取り扱いが非常に便利で、強い発色が得られるため、層を塗り重ねることも、手早くできます。
アクリル画は、現代の非常に多くの画家が手掛けており、特に現代アートではメインの技法となります。
アメリカの現代ポップアートの巨匠、アンディー・ウォーホールやロイ・リキテンスタインが使用した技法です。
●日本画
日本画は、主に日本の伝統的な絵画の技法で、特有の筆法、着色技法、構図などを特徴としています。大きくは墨絵・水墨画と色絵の二つのスタイルに大きく分けられます。古来、着色は岩絵具と呼ばれる天然の鉱物・土石を原料としたものでしたが、現在の日本画では合成材料の絵の具も用いられています。また、描くときに用いられる筆や和紙、絹本なども日本画特有の道具となります。
代表的な日本画の作品としては、古くは雪舟の水墨画や横山大観の富士、東山魁夷や現代作家の千住博など多数の有名画家がいます。
絵画の種類がわかると、ますます楽しめる 鑑賞の極意!
以上でご案内したように、絵画は表現や技法からその種類から見ていくと、直感的な鑑賞以外に、より深く作品に入り込むことかできます。美術館などでは、遠くから見たり、近寄ってみたりしながら、作品の特徴を味わうことができます。また、身近に置いてみたい絵画があるときは複製画という選択肢があります。
世界的な名画も日本にやってくることがありますので、美術館の展示スケジュールを時々チェックして、絵画の世界に浸ってください。
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