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掛軸

近年、日本の住宅事情も様変わりし、床の間はおろか、和室さえも無い住宅が増えてきました。一昔前では家を建てる時、一番お金をかけていた空間こそ、和室だったそうです。

その和室の中心にあたるのが床の間、主役は掛軸となり、皆こぞって当代随一の宝物として、有名な作者の掛軸を収集されていました。春、秋の天気の良い日には掛軸を出し、虫干しし、とても大切に管理をされてきました。ですが、掛軸も今となっては押入れにしまいっぱなしや、掛けっぱなしといったように、粗末に扱われる傾向にあります。

桐箱に入った掛軸も、長年出さずにいると、かえって乾燥してしまい、絵が割れてしまったりもします。また、掛けっぱなしの状態が続くと湿気や紫外線などで痛めてしまう原因にもなります。

そのお家の歴史が詰まった貴重な掛軸ですので、大切にお取り扱いして頂ければと願います。