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マイセン

朝起きてまず湯を沸かし、カップを選びコーヒー豆を挽く。わたしの日々のルーティーンなのです。とりわけカップを選ぶ際には少々の時間を要します。マイセンにするかロイヤルコペンハーゲンにするか。30年ほどかけて集めた20数客のコレクションの中から今日のカップを選ぶのです。どれも愛着のあるカップばかりですが、特にマイセンはお気に入りのひとつです。じっくり豆を蒸らして時間をかけコーヒーを淹れ、香りを楽しみながら飲む。至福のひとときです。30分ほどかけてコーヒータイムを終えるとカップをきれいに洗い、元の場所にしまうのです。しまうまでがルーティーンなのです。
というのも20年ほど前、家に遊びに来ていた義理の妹がご丁寧に飲み終えたマイセンのカップを洗ってくれていた際、手をすべらせて取っ手の部分を折ってしまったのです。怒りをぶつける先もなく、以来最後まで自分の責任で大切に扱うようになりました。
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