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それを作れば彼が来る・岡倉天心/日本美術院・五浦・横山大観・下村観山・菱田春草・木村武山

●最下位の常連?
47位、今年も最下位であった。2021年都道府県魅力度ランキングにおいて茨城県の順位である。なかなか全国的に知名度がある施設がある訳ではなく、あえて茨城にいく必要性があまりないこともある。ちなみに編集子の母は茨城県の農家の出身であったが、女性でも自分を「オレ」と言う恐ろしい県である。しかしながら、重電・家電・金属関連の企業グループ「日立」は茨城県で創業しており、トヨタ・NTTに継いで従業員数が多い巨大企業を誕生させている。また鹿島アントラーズ、柏レイソル、水戸黄門、筑波サーキットなど、実は地名としては普段から耳にしているこれらの名称は隠れ茨城である。

 

●五浦海岸と岡倉天心
茨城県北茨城市に五浦海岸がある。五浦は地図上では「いつうら」と読むようであるが、茨城県人は自信をもって「いづら」とやや訛り気味にそう呼ぶ。五浦はひとつの海岸ではなく五つ地点をまとめて呼んでいるとのことである。ここに六角堂という瀟洒な建物がある。これは美術研究者・岡倉天心が自身が住む住居の離れとして海岸べり建てたものであった。その名の通り底面が六角形となっており、思索の場所として天心は使用していたという。インドの詩人・思想家のダゴールも来日時に、この中で瞑想し、詩を製作したという。実は、2011年、東日本大震災の津波によってこの六角堂は損壊した。現在のものは翌年に再建されたものである。この五浦に移り住んで、六角堂を建てた岡倉天心とはとのような人物であったか。

●岡倉天心とは
岡倉天心は1862年に生まれた思想家・美術研究者である。出生地は諸説ある。1880年、東京帝国大学卒業後、文部省に勤務、 東京美術学校の設立にたずさわる一方で、フェノロサらとともに全国の古美術調査を行う。1888年、東京美術学校を開校、1890年には同校校長に就任し、講義も行っている。1898年、同校の内紛により校長を辞職、同時に一切の公職から退く。その後1901年、一年間に及ぶインド旅行に出かけ、この間に英文で執筆された『東洋の理想』がイギリスから出版されている。 そして1903年に先の五浦に住居を移し、1905年には六角堂を建てている。この間、米国・ボストン美術館の日本美術部長就任などもあったが、1913年、51歳という若さで亡くなっている。
岡倉天心は50歳あまりの生涯の中で、明治維新後に押し寄せてきた西洋化の波の中で、日本美術の再認識と近代日本美術の発展に大きな役割を残したとされている。また、英文での論評は外国諸国に日本の伝統美を紹介する大きな役割があった。

●横山大観、五浦へ赴く
1898年、岡倉天心の辞職により、東京美術学校の日本画教員として勤務していた橋本雅邦、菱田春草、横山大観なども天心とともに辞職した。天心はこれを機に辞職した彼らや下村観山とともに東京美術学校にほど近い東京・谷中で日本美術院を創設し、活動の場としていた。大観の描いた「屈原」という日本画は、屈原と天心の姿を重ね合わせた作品として知られている。東京美術学校を辞職した彼らは、日本画の新たな手法としてのいわゆる「朦朧体」など新たな技法での作品を描いていったが、当時は一般に受け入れられず、日本美術院自体は瓦解しかけた。この局面を打開し、新たな日本画の探求のために、1906年に、日本美術院(日本画部門のみ)を天心のいる五浦に移し、研究所として画室を設けている。これにより横山大観、下村観山、菱田春草、木村武山も同地に移り住むことになった。大観たちが切磋琢磨し、ここで取組まれた日本画の改革は文展などで一応の評価は得られたが、画家にとっては生活を営むほどの収入が得られず、1910年に天心のボストン赴任を契機に大観たちは五浦での活動を終え、東京に活動拠点を戻すことになった。「東洋のバルビゾン」と天心が称した五浦はこうして役目を終えている。以降、事実上の解体状態となった日本美術院であるが、1914年に大観たちによって再興され院展という作品発表の場とともに、現在までその活動は続いている。あっ、そういえば横山大観は水戸藩士の子として生まれている茨城県人であった。ここにも隠れ茨城が・・・。

 

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