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こいつぁ春から 新春の京都/雅楽/琵琶奏者・片山旭星/十日戎/琵琶のルーツ・正倉院の阮咸

●新春の京都で雅楽と琵琶を聴く
新春、京都国立博物館で雅楽を聴くイベントがあるというので出掛けた。
雅なる雅楽に浸った後、祇園・Nギャラリーの写真展へ。
世界160ヵ国以上めぐり、センスにあふれた風景や人物・動植物の美しい写真、社会の一面を鋭く切り取る手腕でご活躍の長島義明さんが「いのち」と題し、堀越信司さん(パラリンピックマラソン銅メダリスト)、森壱風さんとの写真展である。
いつものごとく素晴らしいのだが、今回長島氏は白黒写真を大きくプリントされ、より迫力ある会場だ。
それら写真に囲まれた会場で、長島氏のご友人である片山旭星氏による琵琶演奏を聴く機会に恵まれた。
平家琵琶の演奏は生で聴いたことはあったが、なにか違う。哀愁のある響きではあるが、新春に演奏される演目だとかで明るく楽しく親しみやすいものであった。
琵琶の音色と朗々した唄声に聴き惚れた。

片山旭星氏は1955年愛媛県生まれ。
1977年より筑前琵琶を人間国宝 山崎旭萃、山下旭瑞、菅旭香に、88~89年、新内を人間国宝 岡本文弥に師事。
90~96年、肥後座頭琵琶を、最後の琵琶法師と言われた山鹿良之に師事。その旋律、奏法を次代に伝える数少ない琵琶奏者ととして著名な方だった。
演奏された曲は、「ぎにあらたま(荒魂?)」門付といっておられた。
門付とは、人家の門前に立ち報酬を受けるのを目的として演ずる者、およびその芸能。
戦後も長く農村では、お正月に家の前で獅子舞などが舞われたという。
神が祝福に訪れるという民間信仰の形態に発し、江戸時代には大いに盛んだったらしい。
最後の琵琶法師と言われた山鹿良之氏は1996年に満95歳で他界されており、唯一の継承者という片山旭星氏の演奏が聴くことが出来たのはラッキーである。

●十日戎
たまたま十日戎だったので、Nギャラリー近くの京都ゑびす神社へ寄る。
こじんまりとした境内だがさすがに人も多い。
巫女さんが舞う福笹神楽を耳にしながらお参りの列に並び、縁起物の福笹・人気笠も入手。
皆様にも、商売繁盛のご利益がありますように

●琵琶のルーツ・正倉院の阮咸(げんかん)
帰宅し、琵琶について調べる。
琵琶(びわ、英語: pipa, 日本のものは biwa)は、東アジアの有棹(リュート属)弦楽器の一つ。弓を使わず、もっぱら弦をはじいて音を出す撥弦楽器である。
古代において四弦系(曲頚琵琶)と五弦系(直頚琵琶)があり、後者は伝承が廃絶し使われなくなったが、前者は後に中国及び日本においていくつもの種類が生じて発展し、多くは現代も演奏されている。
四弦系(曲頚)琵琶は、西アジアのウード、ヨーロッパのリュートと共通の起源を持ち、形もよく似ている。
卵を縦に半分に割ったような形の共鳴胴に棹を付け、糸倉(ヘッド)がほぼ直角に後ろに曲がった特徴的な形である。
なお、広義には阮咸(げんかん)や月琴などのリュート属弦楽器も琵琶に含めることもある、とある。

おぉ、阮咸(げんかん)だ。昨年正倉院展で観たではないか。
正倉院のものは螺鈿紫檀阮咸(らでんしたんげんかん)といい、円形で平らな胴に長い棹をもつ四弦楽器。
「げんかん」なんて初めて聞く名前だったが、中国晋時代の竹林七賢の1人、阮咸(げんかん)がこれを愛好したことから、その名をとって呼ばれるようになったという。
胴の背面には、中央に複雑な唐花を据え、そのまわりにぐるりと回転するようにデザインされた2羽の鳥を螺鈿で表わす。
螺鈿は羽などの細部を精細な毛彫りで表しており、花心や翼の一部など随所に朱や緑青の伏彩色を施し、琥珀(こはく)やウミガメの甲羅・玳帽(たいまい)を嵌めている。
鳥は長らくオウムと考えられてきたが、最近の調査で、ホンセイインコと判明した。
ホンセイインコは南アジアなどに生息。体長約30センチ。緑色の体に赤いくちばしを持つカラフルな鳥だそう。エキゾチックな図柄として唐で流行していたのか。
会場にはこの楽器を実際に昭和27年に演奏した音色・阮咸の音の録音が、ながされていた。
メロディーやふしもなくベンベンとつま弾いているのみの音だったが、低い素朴な音色を聖武天皇や光明皇后も愉しまれたかと思うと1300年の時が縮まり、とても身近に感じたことを思い出す。
ちなみに、現代のウードの演奏も聴いたことがあるが、素朴で優しい音色だ。

  

奈良時代の雅楽に始まり、琵琶、神楽と思いがけなく邦楽三昧。
こいつぁ春から縁起がいいわぇ!と思う初春である。

 

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