高い絵画とは?高額取引された主な作家の作品と評価ポイント

日本では「東の大観、西の栖鳳」、「美人画の松園、深水」、「風景画の玉堂、魁夷」などと呼ばれる巨匠画家たち。世界ではゴッホ、ルノアール、モネ、セザンヌ、ゴーギャンなどのアーティスト。彼らは美術館に収蔵されている絵画の名だたる画家たちの一部です。
こうした有名作家の名画は、高価ではありますが、オークションやアート市場でも流通している美術品であることに違いはありません。
今回は、絵画を中心とした高額取引された作家と作品についてご案内いたします。
高い絵画とは?
よほど美術品や絵画に関心をお持ちでなければ、絵画の値段を気にすることはないと思います。しかし、ご本人が買い求めたものでなくとも、ご親族から絵画を引き継ぐようになる、または他の方から譲られる、というケースはあるかもしれません。そのような場合に備えて、必要な知識を持っておかれることは良いことと思います。
以下では、順に絵画をお持ちになった際に、役に立つ知識をいくつか挙げてみます。
●市場で高額取引される絵画の特徴
美術品は、作家の知名度や作品の希少性、歴史的・文化的価値、保存状態、市場での需要などが価格に大きく影響します。
上記の観点より「価値がある」と査定・鑑定されたものは、オークションや美術市場において、最高額でいえば数億円以上で売買されることも多くあり、こうした価格が期待できる作品は、投資対象としても人気が高いといえます。
●オークションで絵画の値段がつくまでの流れ
絵画の価格は、オークション出品者が専門家の査定を受け、出品者の希望価格や最低落札価格を設定しており、オークションの主催者は予想落札価格/エスティメートを事前に公開することが一般的です。
オークションでは、複数の入札者が競り合うことで価格が上昇し、最も高い金額を提示した人に作品が落札される仕組みです。個人のみならず、美術館やギャラリーがマスターピースを求めて入札に参加することがあります。近年はオンライン入札などの利用が拡大し、日本の作品が海外で落札されることも増えています。人気のある作家の作品や状態の良いものは、開始価格を大きく上回ることもあります。一方、注目度が低い作品や説明が不十分な作品は、予想よりも低い価格で落札されることがあります。
過去に高額取引された絵画作品
それでは、オークションで高額取引された絵画作品とはどのようなものでしょうか。
以下にそれぞれデータで判明している絵画作品をランキングで挙げてみます。「モナリザ」の肖像画で知られるレオナルド・ダ・ヴィンチの作品もオークションに登場しています。
●世界で高額取引された絵画作品
順位 | 作家名 | 作品名 | 落札価格 | 売却年 |
1位 | レオナルド・ダ・ヴィンチ | サルバドール・ムンディ | 約4億5000万ドル | 2017年 |
2位 | ウィレム・デ・クーニング | インターチェンジ | 約3億ドル | 2015年 |
3位 | ポール・セザンヌ | カード遊びをする人々 | 約2億5000万ドル | 2011年 |
4位 | ポール・ゴーギャン | いつ結婚するの? | 約2億1000万ドル | 2014年 |
5位 | ジャクソン・ポロック | ナンバー17A | 約2億ドル | 2015年 |
※その他、2018年には、イタリアの画家モディリアーニによる裸婦の作品が約1億5720万ドルという予想を大きく超えて落札されたケースがあります。
ちなみに日本人作家による最高額落札記録は2019年に約1億8,800万ドル(約27億円)で取引された奈良美智の「Knife Behind Back」です。
現在、世界のオークションでの日本人作家の落札価格上位は、すべて奈良美智の作品が占めているようです。
●日本で高額取引された絵画作品
順位 | 作家名 | 作品名 | 落札価格[理石1] | 売却年 |
1位 | アンディ・ウォーホル | Silver Liz (Ferus Type) | 約1億6,000万ドル(※一部資料では約1億8,900万ドル) | 2022年 |
2位 | パブロ・ピカソ | 泣く女 | 約7,000万ドル | 2018年 |
3位 | 草間彌生 | かぼちゃ | 約3,000万ドル | 2021年 |
4位 | 藤田嗣治 | 画家の上着をはおる少女 | 約1,880万ドル | 2021年 |
5位 | 草間彌生 | かぼちゃ | 約1,720万ドル | 2024年 |
※為替レートは日によって変動し、本換算では2025年7月1日時点の143.41 JPY/USDを参考に作成したものです
絵画作品が高額取引される代表的な日本人作家
次に、近年に日本のみならず、世界的に高額取引ことがある代表的な日本人作家についてご紹介しておきます。
亡くなってから数十年たった作家や、活動歴が長い作家がいますので、意外にご親族がお持ちだった、というケースはよく聞かれます。
●現代アートの作家
現代アートとは、第二次世界大戦後から現在にかけて制作された多様な表現の美術作品を指します。世界での代表的な作家として、バスキアやバンクシーなどが国際的に高い評価を受けているアーチストです。今後も引き続き、高額取引となる作品が多いと思われるジャンルです。
日本での現代アート作品の作者を以下に挙げます。
・奈良美智(なら よしとも)
一見かわいらしいキャラクターに、裏に怒りや孤独、政治的メッセージを潜ませる作風が特徴です。音楽(特にパンクやロック)、西洋のマンガ文化、東洋の美術伝統を絶妙にミックスした作品が多くあります。1点ものの原画は数億円単位で取引され、流通量が比較的多い版画は数十万〜500万円前後が相場となっています。
・草間彌生(くさま やよい)
日本を代表する現代美術家であり、昭和な中期から国際的に活躍し、非常に高い評価を受けているアーティストです。主に絵画、彫刻、インスタレーション、ファッション、パフォーマンスアートなど多岐にわたる表現や抽象表現で知られ、彼女の作品は強烈なビジュアルと精神的な深みを兼ね備えています。
・村上隆(むらかみ たかし)
日本の現代美術家・アートプロデューサー・実業家であり、国際的にも非常に高い評価を受けるアーティストです。彼は「スーパーフラット(Superflat)」という独自の美術理論とスタイルを提唱し、日本のサブカルチャーと現代美術の融合を実現したことで知られています。
・白髪一雄(しらが かずお)
日本を代表する戦後前衛芸術家のひとりで、特に「具体美術協会」の主要メンバーとして知られています。彼の最大の特徴は、足で絵を描くという斬新な表現手法です。彼の作品は、単なる「絵画」ではなく、身体的エネルギーの痕跡であり、パフォーマンスと絵画の融合です。日本の戦後美術が、世界のモダニズムとどう対峙し、独自の道を切り拓いたかを示す、非常に重要な存在として知られています。
●日本画の作家
日本画は、日本独自の伝統的な技法や素材(和紙、墨、岩絵具など)を用いて描かれる絵画です。繊細な線や余白の美、自然や季節の表現に特徴があり、精神性や象徴性を重んじるのが特徴です。
・上村松園(うえむら しょうえん)
日本近代を代表する女性日本画家であり、特に美人画で高い評価を受けました。彼女は、気品・清潔感・精神性を兼ね備えた女性像を描き、日本画壇において女性が活躍する道を切り開いた先駆者でもあります。
・横山大観(よこやま たいかん)
日本近代画壇を代表する日本画家であり、それ以前の画壇からは批評されましたが「朦朧体」と呼ばれる絵の具の使い方が独特の技法を開発し、これを用いることで近代日本画の確立と革新に多大な影響を与えた人物です。富士山や桜、波、龍、霊峰など、日本的精神や自然の象徴を多く描きました。
・東山魁夷(ひがしやま かいい)
日本の近現代を代表する日本画家で、特に風景画の大家として知られています。彼の作品は、静謐で幻想的な自然の情景を描き、その繊細な色使いと詩情豊かな表現で高い評価を受け、国民的画家として広く人気を集めました。
・千住博(せんじゅ ひろし)
現代日本を代表する日本画家の一人で、アメリカにアトリエを持ち、伝統的な日本画の技法を継承しつつも、独自のモダンでダイナミックな表現で世界的に注目されています。特に滝を描いた「ウォーターフォール・シリーズ」では、公共施設での大規模な壁画プロジェクトから額装された日本画や版画作品まで多彩に展開し、多くの人に知られています。
高値がつく絵画に共通する評価ポイント
最後にオークションや美術市場で高額取引される絵画の評価ポイントをご紹介します。
●絵画の状態
やはり、保存状態が良好な作品は、高い評価を受けやすくなります。絵画にシミや破損、変色などがあると評価が下がってしまいます。特に、直射日光や湿気などで劣化しやすいため、適切な保存状態の維持が大切となります。また、古い作品では額自体も価値となる場合がありますので、飾る場合には絵ともども額の取り扱いには注意を払いましょう。
●作家の知名度
作家自身の知名度は、絵画の市場価値に関わる重要な要素です。国内外での活動実績や評価が高いと価格がつきやすくなります。過去の落札実績や、展覧会への出展歴なども価値を左右する要素の一つです。
●作品の所有履歴
副次的なものですが、過去の所有者、展示歴、鑑定書などの情報が明確であると、絵画の信頼性が高まり、市場での価格も安定しやすくなることがあります。贋作やトラブルのリスクが減少し、コレクターや投資家からの信頼が高まる要素の一つです。
●作品の希少性
作品の希少性は高額となる要素の一つです。2つの理由がありますが、まずは作家の活動期間が短かった場合です。若くして亡くなる画家や美術市場で評価されるのが遅かったいわば遅咲きの画家といったケースです。もう一つは、寡作の作家で、一般に市販にされる作品をあまり制作しなかったケースです。こうした理由により、一部の作家の場合は、市場の流通性が低いため「幻の作品」と呼ばれ、高額となることがあります。
手元にある絵画の価値は? 高い絵画を見極めて、適切にご売却を!
ご親族から引き継いだ絵画はその価値がわからないケースが多いと思います。上記でご紹介したように、オークションでは非常に高値で落札されている作品があります。お手元に絵画があ場合、こうしたオークションで高額取引される価値がある作品、という可能性があるかもしれません。
絵画の売却方法として、オークションは高値で買取される可能性はあるものの、出品の手間がかかることや買い手がない不落札となることはに注意が必要です。
一方、絵画買取・美術品買取業者を利用すると、手間をかけずに迅速に売却することができるため、絵画の価値や売却の目的にあわせてオークションへの出品やその他の処分方法を選択するとがよいでしょう。
骨董品買取こたろうでは絵画のご売却・ご処分を承ります。
絵画作品のご処分なら、経験豊富なプロ査定士/鑑定士/専門家が在籍し、安心・便利で実績ある買取専門店・骨董品買取こたろうにお任せください。
価値不明でも絵画の鑑定から買取価格の提案まで、親切丁寧に説明対応いたします。
作品を拝見し、詳細豊富な買取相場データから弊社査定員・スタッフが適正適切、満足いただける査定価格・買取価格をご算出提示します。お値段が納得できなければ、お断りいただいても大丈夫。また写真での査定もお手軽でおすすめです。
こたろう店舗での店頭買取や自宅への出張買取、宅配買取・郵送での買取方法に対応いたします。
全国出張料無料・手数料無料・無料査定で納得の高値買取の当店をご利用ください。ご都合が悪くなってもキャンセル料もなし。一切費用なし。骨董品・美術品以外もご相談ください。
《買取品目の例》
絵画(西洋絵画・洋画、日本画、水墨画、油彩画・油絵、水彩画、木版画)、掛け軸・掛軸、屏風、色紙、現代美術・現代アート・現代アーティスト作品、写真作品、西洋アンティーク・西洋美術、中国骨董・中国美術・中国書画、陶磁器(瀬戸焼・備前焼・九谷焼)、ブロンズ彫刻・置物作品(ブロンズ、仏像)、ガラス工芸、鉄瓶・銀瓶、花籠 茶道具(茶碗・茶釜・香炉・花入/花瓶)、食器・漆器(蒔絵)、刀剣・刀装具、根付、象牙製品、翡翠、珊瑚、香木、切手・古銭、ビスクドール、工芸品・古美術品・骨董品の高価買取対応しています。
アンティーク家具、お酒、ブランド商品、宝飾品、貴金属、金製品・銀製品など買取などさまざまなお品物も買取実績が豊富な当店にご相談・お問合せください。
ご自分のコレクションのみならず、未額装の絵画、ご実家でご親族が購入し、倉庫に残ってあった多数・大量のお品物の査定やご処分、ご売却・現金化などにも対応可能です。
国内外の大手オークションへの出品もお気軽にご相談ください。
美術品・骨董品買取こたろうは、リユース業界で信頼の高いGEOグループの会社が運営しています。
骨董品買取こたろう|確かな目利きで高額査定
■画像を送って待つだけ!LINEで無料査定を希望の方はこちら
LINE無料査定
■メールで無料査定を希望の方はこちら
メール無料査定
WEBからメール、LINEで簡単査定! 24時間受付中!お気軽にどうぞ!
関連記事
買取実績
こたろうの買取品目一覧
絵画
掛軸
茶道具
陶器・磁器
中国骨董品
刀剣・日本刀・武具
工芸品
漆器
彫刻
木工品
西洋アンティーク・西洋陶器・西洋美術品
珊瑚
骨董品
古銭
書道具
切手
アンティーク家具
べっ甲
時計・貴金属・宝石
古書