日本画・掛軸
渡辺省亭 日本画・掛軸/風景画の買取実績
曽祖父のご遺品を整理されたいとのご連絡があり、
ご訪問ののち屏風や掛軸をまとめてお買取りいたしました。
多くの掛軸は箱のない傷んだ物でしたが、
その中に渡辺省亭の作品がありました。
査定のポイント
渡辺省亭(ワタナベ セイテイ)は近年評価が
見直されつつある明治大正期の画家です。
日本画家としていち早く渡仏し、写実性に優れた
美しい花鳥画が特に海外で人気となります。
挿画や七宝画図案などでも幅広く活躍しましたが、
戦後忘れられた画家となっていました。
今回の作品は、不思議な岩山の周りを
デフォルメされた鶴が飛ぶ大変ユニークな内容です。
表具にも「省亭」の字がロゴのように入っており、
小品ながらデザイン画のような現代性も感じられる
珍しい作品として評価いたしました。
●渡辺省亭
1851年 江戸神田生まれ
菊池容斎に師事
1875年 起立工商会社で輸出工芸の下絵制作
1878年 パリ万博出品作品受賞
帰国後、優美な花鳥画が人気となる
各国万国博で受賞を重ね海外で高い評価
木版画集や七宝焼図案制作
1918年 没
2021年 渡辺省亭展〜欧米を魅了した花鳥画 〜東京藝術大学美術館
鑑定士より一言
今回は多量の掛軸作品のご整理をお手伝いさせていだだきました。
ご自宅改装で床の間も無くなるとの事で、全てお譲りいただきました。
一本ずつお調べする中で、明治期後半の貴重な渡辺省亭作品と
出会う事が出来、大変嬉しく思います。
こたろうでは、埋もれた作品を再評価し、次の世代に引き継いでまいります。
お気軽にお問い合わせくださいませ。