絵画の買取相場はどう決まる？価格を左右する要素や高く売るコツ

「所有する絵画を売却したい」でも、どのような価格になるのが、ご不安になるのではないでしょうか。
また絵画はどのような要因で価格は決まるのでしょうか。
一般的に、絵画の買取価格は、保存状態や作者の知名度や人気で決まることが多いといえます。
また、美術市場上での需要と供給のバランスにより、買取相場に影響が生じてきます。
ここでは、絵画の価値や買取相場、そして売却のコツまで徹底解説します。

【作家別】絵画の買取相場
　

絵画の買取相場は非常に幅広い様々な要因によって異なります。以下は、絵画の買取価格に影響を与えるいくつかの重要な要素です。

1.作家の知名度と人気
有名な作家や業界で評価の高い作家・アーティストの作品は、一般的に高い買取価格がつきます。歴史的に重要な作家や現代アートの巨匠の作品は特に価値があります。
また、作者を代表するモチーフにより人気の差があり、例えば日本画の横山大観は富士を描いた作品が代表作であり、価値があり高価な作品とされています。
2.作品の状態
絵画の保存状態や状態も価格に大きな影響を与えます。優れた状態で保存された作品は、劣化が進んでいないため価値が高まります。
3.作品の年代
ある時期の作品が特に収集家や市場で注目されている場合、その時代の作品の価格が上昇することがあります。
一般的に作家の作風には変化があり、若い頃の作品より、壮年期、晩年期の作品が高額となります。
4.市場の需要と供給
特定の時期において、特定の作家やスタイルへの需要が高まることがあります。コレクターの需要が供給を上回る場合、価格が上昇する可能性があります。
5.取引先や買取業者の評価
買取業者や画廊によっても買取価格が異なります。信頼性の高い買取業者や専門家の評価が高い場合、より良い価格がつく可能性があります。
6.市場トレンド
アート市場は流動的で、時折トレンドが生まれます。特定のスタイルやジャンルが市場で注目されると、それに連動して価格が変動することがあります。
従って、絵画の買取相場は基本的に時価であり、常に変動していることを意識しておかねばなりません。

●作家別　買取相場の例/洋画家・日本画家
草間彌生　数十万円～1000万円
荻須高徳　十万円～数百万円
藤田嗣治　数十万円～数千万円
山下清　　数万円～数百万円　
東山魁夷　十万円～数百万円
棟方志功　十万円～数百万円
片岡球子　数十万円～数千万円
笹倉鉄平　数万円～数十万円
林武　　　数万円～数十万円

アンディ・ウォーホル　数百万円～数千万円
トレンツ・リャド　　　数万円～数十万円
クリスチャン・ラッセン　数万円～十万円

絵画の買取相場を決める作家以外の要素

絵画の価格を決める要素は画家の知名度・人気・評価など以外にもあります。
上で述べたもの以外にも、以下のような要素が考えられます。

　　
●作品数
作家の特徴として、寡作の方がいます。したがって作家の制作数が少ない場合、買取相場が上がる要素となります。
また、残存数なども評価を左右し、一般的に少ないほうが相場は高くなる傾向があります。
未発表の作品は希少性があり、特に評価が高くなる場合がありますが、未発表である理由如何によることも評価に影響があります。例えば、失敗作でも作家の知名度・人気・評価により、価値があるものとして評価される場合がある一方、単なる不要作品としての評価にしかならない場合もあります。

●ジャンルの需要
絵画は作成方法や流派などでさまざまなジャンルに分けられます。たとえば、日本画、西洋画、油彩画・油絵、水墨画、版画・浮世絵、現代アート作品などとです。
近年は現代アートが人気であり、新作・旧作にかかわらず、高値で売れやすい人気あるジャンルとして認められています。
一般的に美人画や婦人画は風景画や静物画より需要があります。

●サイズと形状
絵画のサイズや形状も価格に影響を与えます。一般的に、大きな作品や特殊な形状の作品は、同じ作家の中でも高い価格がつくことがあります。

●技法と材料
作品がどのような技法や材料で制作されたかも価格に影響を与えます。例えば、特殊な技法や高級な材料を使用した作品は、それが反映されて価値が上がることがあります。また作家の自筆による肉筆画・本画・原画なのか、それらの版画作品つまり木版画・シルクスクリーン・リトグラフなのか、または複製画・レプリカかなどにより、価値が異なります。

●歴史的背景
作品が歴史的な出来事や文化的な動きと関連している場合、その歴史的背景も価値に影響を与えます。歴史的な重要性がある場合、価格が上昇することがあります。

●プロヴェナンス（由来）
作品の由来や所有者の歴史が明確である場合、これが価格に影響を与えることがあります。有名なコレクターが所有していたり、歴史的な人物が関与していた場合は、価値が上がりやすい傾向があります。今、絵画を所有されているご自身であれば、購入先の画廊名や入手経緯が明らかなだけでも、買取価格に影響します。

●展示歴や受賞歴
作品が過去に展示されたり、賞を受賞したことがある場合、これが価値にプラスの影響を与えることがあります。美術業界で有名作品であれば、作品の評価が高まりやすくなります。

絵画を高額買取してもらうコツ

ここでは絵画を高価買取してもらうための買取方法を紹介します。
まず、インターネッで買取業者ホームページを見てみましょう。
依頼先の専門業者の選び方は絵画を専門に買取している絵画買取専門店や絵画に精通した鑑定士がいる買取専門店がおすすめです。買取品目や買取実績もチェックポイントです。
ご自身の手間や都合を考慮して、来店しての店頭買取や自宅への出張買取、宅配買取などの対応可能性を確認します。
場合により、委託販売に応じてくれたり、相談への対応が良さそうなところをお選びください。
実際に電話して電話対応や安心できる業者か、専門知識などを確認することも大切です。
以下では、絵画作品の保管と実際に査定を依頼するときの準備すべきことや注意点・留意点を挙げておきます。

●良好な保存状態を保つ
絵画は日焼けやシミ、カビなどに注意して保管する必要があります。絵画は湿気に弱いため、風通しが良い場所に保管すると良いでしょう。
絵画は縦にして収納します。絵画を横にして重ねたり、他の荷物の下に置いたりしてはいけません。
箱や袋がある場合には、入れたままの状態で保管します。絵そのものの保護に加えて、額縁の角やガラス面やアクリル面の保護も必要です。

●付属品をすべて揃えておく
絵画に付属品(額・箱・黄袋や付属書類など)がついている場合は、まとめて提出してください。
一つでも部品が足りないと絵画の価値が下がり、買取価格が落ちる可能性があります。
絵画に保証書がある場合も同様に買取業者に持って行ってください。鑑定書がない場合、その真贋を含めて所定の鑑定機関や鑑定士に鑑定を依頼すると発行してもらえる場合があります。
ただし、鑑定が真作でないと否認された場合でも、一定の費用がかかるため、売却する価格に鑑定費用が似合うかどうかも検討が必要です。

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