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加藤唐九郎とは/志野茶碗/永仁の壺/織部焼

●怪物と呼ばれた男

怪物・江川卓。中高年には懐かしいプロ野球界の投手である。巨人軍の在籍9年間では135勝であり、大投手と呼ばれる勝利数にはやや不足がある。しかし、球種はストレートとカーブのわずか二種、特にそのストレートはボールの回転数が極めて多いため「伸びてくる」「浮き上がる」と評するするバッターが多数いた。

プロ野球オールスターゲームでは投手に与えられた投球機会は3イニング。先に3イニング・9三振という完璧すぎるパーフェクトでセリーグ打者を抑えた投手がいる。江夏豊である。1984年のオールスターゲーム、江川はパリーグの打者を8連続三振まで奪取、しかし9人目の打者にボールとなるカーブを投じたところ、セカンドゴロを打たれて江夏の記録には一歩及ばなかった。実はこの試合前に江川が考えたことがある。それはなんと3イニング・10三振である。3イニングで獲れる三振数は3アウト×3イニングでどうみても9三振なのだが、江川は9人目の打者は三振と併せてパスボールを生じさせ、10人目の打者と対戦し、そして10三振目を獲る計算をしていたという。怪物である。

さて、陶芸界で「怪物」と称される陶芸家がいる。加藤唐九郎である。唐九郎が「怪物」たる所以はなにか。

●「僕のが並んでいる」

加藤唐九郎は1897年、現在の愛知県瀬戸市生まれの陶芸家である。20歳ごろから瀬戸古窯の調査を始め、古陶磁の再現を試みる。しかし、「古瀬戸」という自著で「黄瀬戸などの瀬戸焼と言われている陶器は美濃で始まった」という自論を展開すると、地元陶芸家に非難され瀬戸を追われている。

1952年には旧制度の重要無形文化財で「織部焼」の指定を受けたが、2年後の制度改定により、以降再度、重要無形文化財の指定はなかった。しかし、唐九郎の作品は古陶の写しとして上出来であり、あるとき美術館の展示ケースを見ていた唐九郎はこうつぶやいたという。「僕のが並んでいる」。真偽は定かでないが、かつて唐九郎の作品が桃山時代の古陶として流通したことがあったという。

しかし、好事魔多しである。鎌倉時代の古瀬戸焼を再現した唐九郎は古窯跡まで自作し、鎌倉時代の作品として自作を重要文化財として認めさせてしまった。世にいう「永仁の壺」事件であり、贋物の制作者であると知れ渡ると、以降、伝統工芸展の審査委員などの公職から身を引く。この時、一からの出直しの意味で、「一無斎」の号を使い、作品銘に「一ム」を入れるようになった。

●志野を生み続ける

先の当ブログにおいて荒川豊蔵の再現した志野について述べている。実際に荒川が最初の志野の焼成したのは、美濃・大萱で志野の陶片を発見した三年後の昭和8年である。しかし、唐九郎の志野茶碗には昭和5年に焼成された「氷柱」という銘の茶碗がある。緋色が出ているが、唐九郎の志野は鬼板を釉薬下に総掛したいわば鼠志野である。どちらが先、ということではなく志野に対するアプローチの違いである。

旧制度の織部焼で人間国宝の指定を受けた唐九郎ではあるが、昭和40年代から唐九郎流の志野に取組み始めた。「ぜんぜん志野ではない、(しかし)志野と言えば、(志野と)言えるものを作ろうと思う」と唐九郎は述べ、昭和の志野に取組んでいくことになる。もちろん、鬼板で絵付けをしたスタンダードな志野は多いが、唐九郎の発表した志野には、鼠志野、赤志野、曙志野、茜志野、鉄志野そして紫志野(紫匂志野)、深紫志野とさまざまな発色をした志野を生み出している。志野以外では、織部のほか、黄瀬戸、瀬戸黒、唐津、伊賀などの作品にも取り組んだ。

●先端を歩く

陶芸家といえばなんとなく作務衣姿をイメージする。しかし、晩年の唐九郎の写真にはラングラー製のオーバーオールを着た写真がある。冬の窯場で腰回りを温めるために愛用していたという。合理的な判断で服を選んだ。

昭和57年、東京と名古屋で開催された「唐九郎の世界」展の図録が手元にある。この図録に掲載されている写真には、唐九郎が機械の前に座り、キーボードを打つ姿の写真がある。この機械はパソコンに先立ち開発されたワープロ専用機である。東芝製で、当時、まだ日本にも数台しかない機器を購入し、文書の執筆に使用したという。亡くなる3年前、すでに84歳の時であった。

唐九郎はさまざまな書籍を愛読した。中国思想、宗教、哲学、経済、そして法律書まで。いずれも、陶芸に帰結していく知識を得るためであった。唐九郎の作った志野茶碗に「亜幌」銘の作品がある。製作する少し前に人類が初めて月に降り立った宇宙船・アポロ11号に因んだ銘であった。「夜露死苦」と綴るヤンキーにも似ている。

 

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