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小説と映画に見る千利休/利休忌・菜の花忌/野上弥生子・井上靖・山本兼一・清原なつの

●利休忌
天正19年、2月28日、茶人・千利休の命日である。西暦では4月21日だが、茶道の流派により3月27日や28日に利休忌として茶事などが行われているようである。また、この日は「菜の花忌」と呼ばれ、利休が好んだ菜の花は年初の初釜から利休忌が行われるまでは、茶花として菜の花を生けることがないのだという。
豊臣秀吉に命じられて切腹した利休であるが、その理由については、現在までの小説・諭説で数々の理由が挙げられており、定かではない。特に、天下泰平でない時代においては、時の権力者の対抗馬となる勢力を潰しにかかるのが常套とされる時代である。自分の解らない世界で、人望と金銭を集める利休は脅威と思わざるを得ない秀吉の心理はあったのかもしれない。まさに「出る杭は打たれる」ともいえる状況のなか、利休は死んだのである。
利休に与えられた死が、逆に明確でないために、後世ではいかようにも演出でき、よりドラマチックな展開として、小説や映画、時代劇、テレビドラマなどで描ける。さらには、利休は切腹せずに、生き延びていたという説がある。そもそも切腹をした史実を正確に記録した資料がないという。利休の死後に、秀吉が利休の生存を匂わせる手紙を書いているらしい。これらは近年、文教大学・中村修也教授の研究に基づく説であるが、これについても検証されているわけではない。いずれにしても、利休は謎を残していった人物には違いない。

●小説と映画での利休
過去、利休を主人公とした小説とそれを映画にしたものが三本ある。
古くは1964年に発表された野上弥生子作「秀吉と利休」であり、これは1989年に草月流家元であり芸術家の勅使河原宏によって「利休」というタイトルで映画化されている。次いで、昭和期の文豪として人気のある井上靖作「本覚坊遺文」。近くは、2008年、直木賞を受賞した山本兼一作「利休にたずねよ」である。この二つは小説名がそのまま映画のタイトルとなった。
ただし正確に言えば、「本覚坊遺文」の主人公は利休ではない。実在かどうか確かでない本覚坊という茶人が利休の死を追うというストーリーの作品であった。その他、小説だけでいえば、利休が主人公の作品は数々ある。特に映画化されたということで、利休の姿を理解しやすいということで、この三本の映画が推奨できるものである。順を追って映画の方を紹介しよう。いずれもオンデマンドやDVDなどで今も見ることができると思う。

  

●「利休」野上弥生子原作
小説の発表から実に25年後に公開された映画である。監督は勅使河原宏。華道の家元であり、陶芸家や舞台芸術などをこなす総合芸術家でもある。キャストとして、利休には三国連太郎、秀吉に山崎勉が配されている。茶々にモデルの山口小夜子が演じていることも面白かった。ワキは歌舞伎の松本幸四郎、中村吉右衛門、坂東八十助、中村橋之助、能楽師・観世栄夫などで豪華に固めている。茶道具は加藤重高や杉本貞光らが製作し、衣装デザインをワダエミが、特殊メイクのパイオニアとして知られる江川悦子をメイクアップ担当として採用するなど、完成度の高いスタッフ構成で製作を行った映画であった。ストーリーでいえば、王道というか定番のものであり、新説などはない。利休の持つ美意識を憎むほどねたんでいく秀吉を演じた山崎努の怪演が冴える作品である。

  

●「本覚坊遺文」井上靖原作
利休の死について真実を追求しようとする弟子の茶人・本覚坊が利休七哲の一人・織田有楽斎を訪ねて話を聞くストーリー。利休にはなんと、三船敏郎を起用。秀吉には芦田伸介、有楽斎には萬屋錦之助という、重すぎる布陣(-_-;)。主人公・本覚坊には若き奥田瑛二を。個人的には秀吉の前で憎まれ口を叩いた後、殺害された山上宗二を演じた上条恒彦が印象に残った。三船の低い声が効きすぎて、利休が良い人やら悪い人やらよくわからなかった。 

  

●「利休にたずねよ」山本兼一原作
満を持しての市川海老蔵の主演作。父親の市川團十郎との親子共演が実現するも、完成後に團十郎が逝去し、遺作となった。ストーリーは若き日の利休が色街で出会う朝鮮からさらわれてきた女性との悲恋を加えた創作で、利休の死までの日々をつづる作品。楽家から「万代屋黒」という長次郎作の茶碗実物を借用して撮影していた。さらには、古陶の高麗茶碗まで登場させたが、さすがに利休生存時は両者ともそんなには古びていなかったのでは、と思い作りすぎの感はある。若き日の利休がテーマでもあるので致し方ないが、自刃の際には海老蔵だとちょっと若すぎの印象はある。

●番外編!漫画で描かれた利休
少し古い本ではあるが、清原なつの作「千利休」という漫画が、利休を知る上で一番参考になった。住吉屋宗無という実在の茶人に語らせる部分もあり、宗無の讒言によって利休を死に至らしめるという異説のストーリーも面白い。
こちらも推奨の一冊。

 

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