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浮世絵とは?基礎知識や主要なジャンル、有名な浮世絵師の代表作

江戸時代に日本独自の木版画として誕生・成長したのが浮世絵です。この浮世絵は、世界へと知られて有名となっていきます。そのきっかけとなったのは日本から海外へ輸出される陶磁器の梱包材として使用されていた浮世絵版画が巡り巡って、モネ、マネ、ドガなどの画家が目にすることになった、というエピソードがあります。さらにゴッホまでがこの浮世絵に影響され、ますます浮世絵が世界的に評価されることになったと言われています。また、アップルコンピュータの創設者であるスティーブ・ジョブスは昭和期に活躍した版画家・川瀬巴水の新版画と呼ばれた浮世絵のコレクターとして知られています。今回は江戸時代から現代までワールドワイドに広がる浮世絵の魅力についてご紹介します。

 

浮世絵の基礎知識
多くの方が名作の浮世絵と言って思い出すのが、富士山を描いた「冨嶽三十六景」や歌舞伎役者を描いた大首絵と呼ばれる作品ではないでしょうか。これらの多くは木版画による多色刷り作品で、一部、肉筆による浮世絵作品も存在します。また木版本・書籍の挿絵も広い意味では浮世絵と呼ばれています。上流階層のために絵画を描いていた狩野派に対して、浮世絵師たちは庶民のために絵画を描いたと言えます。以下では、浮世絵についての基礎知識についてご案内していきます。

 

●浮世絵とは?
浮世絵は、江戸時代の日本で発展した木版画の一種です。文字通りには「浮世」は現世、日常生活を意味し、「絵」は絵画を意味します。つまり、「浮世絵」は日常の風俗や日本の美しい風景、当時の有名な役者である歌舞伎役者、美しい女性などを描いた版画のことです。浮世絵は主に木版画技法で制作され、版元(販売業者)と版元の注文により作られた絵師(画家)や彫師(版木を彫る職人)、摺師(版を使って印刷する職人)が協力して完成したものです。画家が原画を描き、それをもとに彫師が木版に彫刻し、それをもとにが摺師が摺り、最後に版元が販売、という過程を経て庶民は浮世絵を手にしました。江戸時代中期以降になると、鮮やかな色彩や大胆な構図の名作が生まれ、当時の浮世絵作家の力量が忍ばれる作品が多く残されています。

●浮世絵の歴史
・江戸時代前期
浮世絵は、江戸時代に確立したとされています。江戸幕府が始まり、戦国時代の終焉とともに安定した社会が形成され、庶民の文化が発展した時代背景があると言われています。浮世絵は、現代で言う雑誌やテレビ、ラジオなどのような、大衆メディアとして市井の人々に愛されたものでした。なお、初期は筆による色彩だったため量産はできなかったとのことです。

・江戸時代中期/享保・寛政時代ころ
「版」による色彩が始まり、量産できるようになりました。この技法により、多色刷りで浮世絵はさらに華やかになっていきました。さらに連作の浮世絵も庶民にはブームとなりました。特に才能豊かな三代目歌川豊国、歌川広重、葛飾北斎などの巨匠浮世絵師たちがこの頃に登場し、多くの傑作を発表てし、活躍した時代です。錦織物のように色華やかだったことから「錦絵」と呼ばれるようにったのもこの頃からです。さらに、画題としては美人画が流行し、役者や芝居・歌舞伎を題材にした作品が多く制作されるようになりました。木版に色を乗せる技法も多様な表現が開発されていきました。また大判錦絵というサイズが一般的な浮世絵として定着しました。またプロデューサーとしての版元である蔦屋重三郎は浮世絵の黄金期を築いた人物のひとりとして知られています。

・江戸時代後期/天保・慶応時代ころ
美人画や役者絵の人気が落ち着いてきた時代で、風景画が多く制作されるようになった時代です。さらに幕末には外国船の渡来と開国により、西洋の文化や影響が浮世絵にも見られるようになりました。無惨絵で知られる月岡芳年や落合芳幾、骸骨など怪奇な作品を描いた河鍋暁斎などがこの頃の代表で、さらには豊原国周や勝川春章、葛飾応為などの絵師も活躍しました。

・明治時代以降
明治政府の成立後、生活文化の西洋化がさらに進み、浮世絵においても西洋の影響を受けてますます変化しました。この頃は、明治維新後の西洋化した都市の様子や風刺画が描かれるようになりました。しかし、銅版画や石版画など印刷技術の発展により、徐々に浮世絵は衰退してしまいます。その後、大正時代からは東京の版元が新版画として浮世絵の復刻を図り、これにより川瀬巴水や吉田博、橋口五葉、水野年方、小林清親らが昭和時代にかけて活躍し、令和となった現代も浮世絵は日本発のアートとして評価されています。

 

浮世絵の種類
では、浮世絵はどのようなジャンルや画題があるのでしょうか。江戸時代では以下のような種類の浮世絵が典型的に製作されています。先に述べたように、江戸時代の庶民の生活が垣間見られる作品が多く生まれています。

 

●美人画
美人画は女性の美をモチーフに描かれたもので、女性の内面の美しさを含めたその時代の美意識やファッション、生活様式などが映し出さている作品です。女性の容姿の美しさだけが描かれているわけではありません。しばしば遊女や芸者をモデルにしており、彩色や背景の緻密さ、女性の表情や仕草の細かい描写が特徴です。
●役者絵
主に歌舞伎や浄瑠璃などの舞台で活躍する役者を題材として描かれます。役者絵では、役者の個性や演技の特徴を捉えた肖像や、舞台上での動きや仕草を生き生きと描写した作品が多く見られます。主に歌舞伎や浄瑠璃などの舞台で活躍する役者を題材として描かれます。 役者の存在感を強調するため、背景はしばしば簡略化され、役者がより際立つように描かれるという特徴があります。
●武者絵
武者絵は、刀剣を携え、甲冑・武具をまとった武士の勇壮な姿、合戦や戦場の情景を描写した戦争絵などで、戦いの情熱や風格を表現することが主眼とされています。鮮やかな色彩が使われ、武士の勇壮さや戦場の緊張感を際立たせる技法で描かれます。特に著名な武士の武勇や精神力が称賛されるように描写されています。
●風景画
江戸や大阪の名所絵や富士山を描いた作品で知られている風景画が多数あります。北斎の「神奈川沖浪裏」は波間に富士山を描いた作品として誰もが知る浮世絵ですが、本作は2024年発行の千円札裏面のデザインとして取り入れられました。また「凱風快晴」の赤富士も誰もが知る浮世絵であり、その後の日本の画家たちに大きな影響を与えた作品です。構図にこだわりを持った作品が数多く作られ、日本の浮世における高い芸術性が垣間見られます。

その他、風俗画の春画や花鳥画なども描かれており、これらは国公立の東京国立博物館や静岡市東海道広重美術館、戦前から浮世絵のコレクションとして知られていた斎藤、三原コレクションを引き継いだ財団の平木浮世絵美術館などで所蔵するを鑑賞することができます。

 

有名な浮世絵師と代表作
次に、浮世絵の作者として有名な絵師と代表作をいくつか挙げてみます。上記の紙幣のデザインや記念切手、広告などにも取り入れられた作者と作品名を挙げてみます。作品の作者やタイトルを正確に覚えていなくとも、「ああ、これね…」と思い出す方も多いのではないでしょうか。

 

●菱川師宣(ひしかわもろのぶ)代表作「見返り美人図」
菱川師宣は江戸時代初期に生まれた、浮世絵の基盤を築いた人物といわれている絵師です。版画ではありませんが、代表作の「見返り美人図」は繊細な色使いとしなやかな曲線が特徴で、女性の美しさが表現されていた肉筆画です。本作品は記念切手のデザインでも知られています。は版画作品として、墨一色の作品が多く残されています。

●鈴木春信(すずきはるのぶ)代表作「夕立」
江戸時代中期の絵師で、この頃には多色刷りが行われるようになっており、錦絵というとこの絵師の作品がまず挙げられます。「夕立」はにわかに降り出した雨の中、洗濯物を取り込もうとする美人画で、その女性が急いでいるあまり、履物が脱げてしまっている様子など、慌てた気持ちがうまく表現された作品となっています。

●鳥居清長(とりいきよなが)代表作「風俗東之錦」
江戸時代中期の絵師で、鳥居派に入門し、のちに流派を率いる四代目となる絵師です。鳥居清長の人気作品は美人画です。現代で言う「八頭身」のすらりとした女性が多く描がかれており、「風俗東之錦」は20枚のシリーズ化された美人画として人気がありました。

●喜多川歌麿(きたがわうたまろ)代表作「ポッピンを吹く娘」
「婦女人相十品」「婦人相学十躰」といったシリーズや「美人大首絵」で人気を博した絵師。それまでの全身を描がいた美人画から体を省き、顔を中心とする構図を考案しました。人物の表情だけでなく、内面や艶も描く表現が可能になったと言われています。

●葛飾北斎(かつしかほくさい)代表作「富嶽三十六景」「山下白雨」
江戸時代後期の浮世絵師で、のべ70年間に渡って、花魁・相撲取り・役者や歴史上の人物などを描いた作品や富士山・滝・橋などの風景、さらには虫・鳥・草花、建物などを描きました。また架空生物や自然現象などあらゆる画題に挑戦し、生涯に3万4千点もの作品を発表したと言われています。また、絵手本として「北斎漫画」も製作し、後世の絵師に影響を与えました。

●東洲斎写楽(とうしゅうさいしゃらく)代表作「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」「三代瀬川菊之丞」「市川鰕蔵/竹村定之進 」
生没年不明の絵師ながらも、グレーの雲母摺の背景に、顔の特徴や仕草を誇張したダイナミックな作品で人気を博しました。絵師の正体が長年不明であり、浮世絵界大のミステリーとされています。ただし近年の研究により、斎藤十郎兵衛という絵師だったのではないか、と推察されています。

●歌川国貞(うたがわくにさだ)代表作「江戸美人尽」
江戸時代後期・幕末の絵師。のちに三代豊国を襲名しました。作品の数は浮世絵師の中で最も多いと言われており、生涯1万点以上を製作したと伝わっています。

●歌川広重(うたがわひろしげ)代表作「東海道五十三次」「名所江戸百景」
江戸時代後期・幕末の絵師。風景を描いた木版画で大人気の絵師となりました。特に「東海道五十三次」は東海道の原風景として、現在の景色と比較され続けています。「名所江戸百景」はゴッホやモネなどに影響を与えた浮世絵として有名です。

●歌川国芳(うたがわくによし)代表作「相馬の古内裏」
江戸時代後期・幕末の絵師。天保の改革により、役者絵や美人画が禁止となる中、幕府を風刺する作品を発表しました。幕府は国芳を罰しましたが、逆に庶民の人気はますます高くなったといいます。武者絵を得意としていましたが、その多彩な表現力は浮世絵の枠にとどまらない、魅力的な絵画として現在も評価されています。

●月岡芳年(つきおかよしとし)代表作「藤原保昌月下弄笛図」
幕末から明治時代の絵師です。当初は、多種多様な浮世絵を手がけましたが、明治時代以降には無惨絵の描き手としても知られました。明治維新以降、浮世絵の需要が失いつつある時代の中では、独自の画風により成功した絵師と言えます。

 

この浮世絵は有名な絵師の作品か? お手元の浮世絵はお宝かも
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