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「雲錦模様」~四季を愛でる日本人の美~/魯山人お気に入りの模様

●四季を写す日本の器 

茶道具でよく見かける模様がいくつかある。四季に関する図案が代表的な模様である。もう一つは吉兆文と呼ばれる、いわゆる「縁起物」のデザインである。前者では、一つの季節に関して取り上げた図案が多いが、四季を通じての表現として、四つの図柄を一つの器体に取り入れるケースもある。例えば表面積が大きいものには、その外周を利用して春夏秋冬の模様をそれぞれ一つずつ四方に描いていく手法がある。また、混然遺体として、四季の図案を散りばめてしまう方法もある。しかし、四季を現す模様として便利な模様に「雲錦模様/雲錦文」というものがある。実は「雲錦」とは四季の模様ではない。桜花を雲として、紅葉を錦として描いた図案である。春と秋の図案であるが、四季を通じて使用が可能ものとして認識されている重宝なものである。では、なぜは春秋の季節を同じ土俵に乗せたのだろうか? 

●古都・奈良の春秋を写す 

その理由は定かではないが、ここである説を紹介する。「古今和歌集」の序文「仮名序」に『秋の夕べ竜田川のもみじをば、帝の御目に錦と見たまい、春のあした吉野のさくらは人麻呂が心には雲かとのみえなむとおぼえける』との記載がある。ここに「竜田川」と「吉野」という地名が登場する。この二つはいずれも奈良の地名である。つまり、この「古今和歌集」に収録している奈良の春秋二地点の景色を詠んだ和歌を評した「仮名序」の一部部分を絵模様として表したものが、この雲錦であったと推測されるのである。 

吉野の桜。平城京からは南方に当たり、現在も山岳部の桜の名所として知られる。また、「願わくは 花のしたてに 春死なん そのきさらぎの 望月の頃」という歌を詠んだ西行法師が庵を結んだ地として知られる。 

龍田川の紅葉。こちらは平城京からは西方に当たり、現在も紅葉の名所として知られる渓谷である。「ちはやぶる」という百人一首を題材とした漫画でも知られたが、「ちはやぶる 神代もきかず龍田川 からくれないに 水くぐるとは」という歌で詠まれた地である。 

この古今和歌集で記された二つの奈良の景色を図案にしたとみられる雲錦模様であるが、具体的に図案として完成されたのは江戸時代となる。発案者は定かではないが、尾形光琳らの琳派が多用し、尾形乾山も陶器に取り入れている。 

また、仁阿弥道八の作品でも使われていた。 

●魯山人のお気に入り 

魯山人の作品に色絵の大鉢がある。最大のものでは直径40cmを超える巨大な鉢である。主にこの鉢の加飾に使用した図案が三つある。一つは、「色絵の椿」。もう一つが「色絵の牡丹」、そして「雲錦」である。牡丹は磁器の器に使用しているので、陶器に使われたのは椿と雲錦である。魯山人がこの二つの絵付には特に力を入れていたようで、見込と高台周囲以外の余白を残さず、絵で埋め尽くしている。ただし、桜と紅葉の模様はあまり混在させていない。器の外側に紅葉が見えるなら、内向こうには桜が見える。外側に桜が見えるなら、内向こうは紅葉、と切り替えの妙を得た作品である。「器は料理の着物」と言い放った魯山人である。もちろん「料理は見込みの余白だけに少量を乗せよ」と指示したであろう。 

●広がる雲錦模様 

現在までに雲錦模様の展開は二タイプがある。一つは、桜の木と紅葉の木を軸として、花びらを雲のように、紅葉を錦のように描く基本的なパターン。もう一つは桜の花と紅葉混在させて全体に散らしていくパターンである。さらには、この二バターンの折衷的なデザインも存在する。いずれにしても、雲錦模様は二つの反対となる季節を一つの面に統合することに成功した画期的なデザインである。このデザインの成功は、例えば「雪月花」という三つの言葉で四季をイメージさせ、四季の花を丸模様にして前面に散らせるなどによって、四季を一つの面に統合した様々なデザインが誕生していくのである。 

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