絵画　ガラス絵の買取実績

午前中にお電話をいただき即日の出張希望との事で昼過ぎに一件お客様の対応があったため、終了後に予約を取らせたいただきました。とても丁寧な口調で言葉を選びながら話をされていた印象もあり私の中では「きっと初めて骨董・美術品の業者に電話するので少々不安があったのかな」とも思い、こちらも特に気を付けて不安を与えないよう心がけて訪問しました。到着後すぐにお買い取りの話はせず最初に目に入った淡い色調で統一された家具がとても素晴らしく、数分間家具の話をしたのち本題に入らせていただきました。

数枚の絵画のご依頼でかわいい犬の絵が数枚とガラス絵があり、いずれの作品もほとんど飾られた形跡もなく綺麗に箱に収納されていました。話を聞くと作品本体を購入してご自身で額屋さんに注文して仕立てた作品との事でした。私自身以前は額装の仕事もしており、とても凝った仕様でセンスの良い素敵な作品に仕上がっており、お客様との距離も少し縮まったような感覚がありました。しばらく話をしているうちに作品に描かれていた犬は長年共に過ごしてきた愛犬の絵だという事で最近お亡くなりになってしまったとの事でした。そのような事情で当然ながら残していただくようお伝えしましたが一部大切なご遺品を残し、あとは手放したいとのご意向でしたのでお引き受けすることにしました。

ガラス絵はとてもメルヘンチックな作品で作者は現在活躍中のイブラヒム恵美子さんの作品でした。ガラス絵は普通の絵画と描き方が真逆で描いた面が裏側になるため通常最後に描くところがスタート地点になる特別な描き方になります。そのため一般的には完成予想図のデッサンや下絵といったものを描くものなのですがイブラヒムさんは一切下絵は描かず一発勝負で製作するとの事です。その場で生み出される偶然の美を追求しているのかもしれません。

愛犬の話をお聞きしたあとでしたのでこちらの作品についてはあまり詮索せずに対応させていただきました。最後にはお客様も安心していただけたようですべての作品にご納得の査定にてご縁をいただくことができました。ありがとうございました。