茶道具
加藤孝造 陶器/志野花入の買取実績
年明けにお電話で祖父の遺品整理で出張査定のご依頼を受けました。
ご依頼主様は祖父の家を相続して、リフォームするため、室内のお品物を整理しなければならないということで、主に骨董として祖父のお集めになっていたものを査定させていただきましたが、ご依頼主様自身はそれらの内容・価値については詳細不明とのことでした。
査定のポイント
当社としては残念ながら買取対象とならない一般的なの食器類が多かったのですが、査定させていただいた掛軸・陶器類の中から買取対象のものにお値段を提示して、買取させていただきました。中に、人間国宝・加藤孝造作の志野花入があり、こちら単品でお値段がつく良いものでした。加藤孝造は瀬戸黒陶器で人間国宝の指定を受けていますが、志野焼でも人気があります。白く雪のような器肌から草花文の鉄絵と、志野特有の緋色が浮かぶ逸品でした。
●加藤孝造
1935年 岐阜県に生まれる。
1951年 岐阜県陶磁器試験場入所、五代加藤幸兵衛に学ぶ。
1962年 日本伝統工芸展初入選。
1966年 日本工芸会正会員となる。
1968年 日本伝統工芸展にて「鉄釉花器」で朝日新聞社賞受賞。
1970年 多治見市に穴窯を築き独立。荒川豊蔵に師事。
1990年 美濃陶芸協会会長就任。
2009年 日本陶磁協会賞金賞受賞。瀬戸黒・志野・黄瀬戸の制作・伝承で伝統文化ポーラ賞優秀賞受賞。
2010年 「瀬戸黒」で重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。
鑑定士より一言
今回のご依頼主さまのように、祖父の持ち物となると詳細不明のものが多いと思われます。詳細不明なものでも、木の箱が残っている作品については、買取対象となる場合がありますので、出張のご依頼前に木の箱が残っている作品の数を数えておいていただくと、大変助かります。
また、今回の作品はご依頼主様の地元から近い、多治見市に工房を持つ陶芸家であり、他にも近辺に工房を構える著名な陶芸家が多数います。もし、この近くにお住まいであれば、有名陶芸家の作品をお持ちかもしれませんので、一度お手元の作品を確認しておいていただくのをお勧めいたします。