銀貨の価値を決める条件は？コレクターに人気の銀貨と高く売るコツ
銀貨は、主に銀を主成分として造られた貨幣のことを指します。歴史的には、銀は金と並んで貴重な貴金属と見なされ、通貨として広く使用されてきました。さまざま銀貨が古代から中世、近代にかけて世界中で一般的に流通していました。
銀貨の価値は、銀の含有量と重さに基づく地金の価値です。また銀貨には裏に君主や国の紋章、シンボル、または歴史的な図像が刻まれており、多彩なデザインを見ることができ、美術的な価値もあります。
金を主材料とする金貨は、金地金の高騰に伴い入手コストが非常に高くなってしまいましたが、銀貨はまだ入手しやすいことから多様な種類の銀貨を収集するコレクターが多くいます。
貴金属投資にもおすすめ？国内外の人気の高い銀貨
先に記しましたが、銀貨には銀の含有量/品位と重さに基づく地金/インゴットの価値があります。したがって、金貨に習って貴金属投資として、銀貨を保持される方も多くいます。どのような銀貨が投資用として集められているのでしょうか。
ここでは、現在、私たちが目にして、入手できる銀貨、人気の高い外国と日本の銀貨を紹介します。
●人気の高い海外の銀貨
・メイプルリーフ銀貨
カナダ王室造幣局発行の銀貨で、1オンス、1/2オンス、1/4オンス、1/10オンスがあります。銀の純度は純銀の99.99%であり、非常に高い純度であることから、投資用途に適している硬貨です。カナダドルの額面が表示されており、法定通貨としても流通していますが、一般的には投資や収集の対象となっています。
1988年から毎年発行され続けているため、現在、流通量は世界一と言われています。デザインの特徴として、表面はエリザベス2世と額面、発行年数が、裏面にはサトウカエデの葉がレリーフされています。
・イーグル銀貨
アメリカ造幣局発行の銀貨で、1オンス、1/2オンス、1/4オンス、1/10オンスがあります。銀の純度は99.9%であり、純度が高く、投資用途に適している硬貨です。アメリカドルの額面が表示されており、法定通貨としても流通していますが、一般的には投資や収集の対象となっています。
表面にはウォーキング・リバティ（自由を歩む女性）の肖像が描かれ、裏面には国章の中に鷲が描かれています。この鷲のデザインはアメリカの国章に由来しています。
メイプルリーフ銀貨についで、投資対象として非常に人気が高い銀貨です。
・ブリタニア銀貨
イギリス王立造幣局発行の銀貨で、1オンス、1/2オンス、1/4オンス、1/10オンスがあります。銀の純度は99.9%であり、純度が高く、投資用途に適している硬貨です。通常、法定通貨としては額面を持たず、その価値は銀の含有量に基づいています。しかし、法的にはイギリスの通貨であるポンドに連動するものとされています。
表面には、名称の由来となったブリタニア(イギリスの国自体を女性として擬人化したもの)の姿が描かれ、裏面にはイギリスの君主の肖像やエリザベス2世女王の肖像などが刻まれています。デザインは年によって変わることがあります。
こちらも投資対象として人気が高い銀貨の一つです。
・ウィーン銀貨
オーストリア国立造幣局発行の銀貨で、1オンス、1/2オンス、1/4オンス、1/10オンスがあります。銀の純度は99.9%であり、純度が高く、投資用途に適している硬貨です。法定通貨としては額面を持たず、その価値は銀の含有量に基づいています。しかし、法的にはオーストリアの通貨であるEUの通貨・ユーロに連動するものとされています。
表面には、名称の由来となったウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の楽器(ヴァイオリン、チェロ、フルート、ハープ)が描かれています。裏面には誰もが知るオーストリアの大音楽家であるヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの肖像が刻まれています。
こちらも投資対象として人気が高い銀貨の一つです。
・パンダ銀貨
中国人民銀行発行、中国造幣有限公司製造の銀貨で、主に30グラム製造され、時々他のサイズ/重量で発行されます。銀の純度は99.9%であり、純度が高く、投資用途に適している硬貨です。法定通貨であり、30グラムの場合は10元の法定通貨額を持っています。ただし、その価値は銀の含有量に基づいているとされています。
表面にはパンダがレリーフされており、裏面には世界遺産の北京天壇がレリーフされています。表面のパンダデザインは毎年変わるため非常にデザイン性のある魅力の銀貨ですが、コレクションするコレクターの人気の高さから偽物が出回っており、真贋に注意が必要です。パンダ銀貨は主に中国を中心としたアジア各国を中心に人気がある有名な銀貨です。
その他、ドイツマルク銀貨、オランダ、フランスなどの各国でも銀貨は発行されています。
●日本で発行された人気の高い銀貨
・一円銀貨（一圓銀貨）
一円銀貨は明治4年（1871年）に発行が開始され、以降、デザインや材質が変更されながらも、昭和10年（1935年）まで鋳造されました。
一円銀貨は、初期のものでは92.5%の純度を持っていましたが、昭和10年では50%の純度となりました。
一円銀貨のデザインは発行年度によって異なります。一般的には表面には君主の肖像や象徴的な図像が刻まれ、裏面には龍や桜などが描かれています。
一円銀貨は歴史的な価値を持つだけでなく、それぞれの年号によって希少性が異なり、収集の対象として人気があります。
・鳳凰100円銀貨
鳳凰100円銀貨は戦後の経済復興の一環として、1957年（昭和32年）から1966年（昭和41年）までの間に発行されました。
この銀貨は純度90%の銀で造られています。デザインは、表面には「菊紋章」や「鳳凰」が、裏面には「百円」や発行年の刻印があります。
鳳凰100円銀貨は日本の経済復興と通貨の安定を象徴しています。
・旭日竜50銭銀貨
旭日50銭銀貨は、明治3年（1870年）から明治5年（1872年）までに発行された銀貨です。銀が約80%、銅約20％の合金です。
この間、明治4年（1871年）には直径サイズが大型から小型へと変更され、さらには大竜/小竜と呼ばれる、わずかなようなデザインを変えて発行されており、細かな分類がある銀貨としてコレクションの対象となっているようです。
デザインは、表面には日本の国旗である「旭日旗」が描かれており、裏面には「50銭」の文字と、竜の図柄が刻まれています。
・東京オリンピック記念銀貨
東京オリンピック銀貨は記念貨幣として、1964年に1000円と100円の額面二種類で発行されました。昭和年代の代表的な記念硬貨の一つです。
1000円銀貨は重量20gで、銀92.5%／銅7.5%の合金です。
100円銀貨は重量4.8gで、銀60%／銅30%／亜鉛10%の合金です。
1000円銀貨は、表面が富士山、、裏面は五輪マークの上に「1000」の文字が表示されたデザインです。
100円銀貨は、表面が聖火台を背景に五輪マークがあしらわれており、裏面は太陽に「100」の文字が重ねられたデザインです。
こちらの100円銀貨は大量に流通しているため、額面通り以上の価値はありませんが、コイン商などでは1000円銀貨は額面の三倍以上で取引されています。
その他、日本とアメリカ・イギリス間で貿易用通貨として、明治8年から明治10年3年間しか発行されなかたった貿易銀も近代の貨幣であり、希少価値のある日本の銀貨として知られています。さらに、古くは江戸時代の古銭にも小判状の銀貨が存在します。
銀貨の相場はどのように決まる？
日本においては、令和以降でも記念金貨と記念銀貨は発行されています。地方自治法施行60周年を記念したものやオリンピックなど国内のイベント、天皇陛下・皇族の在位や慶事に合わせて、枚数限定で発行されてきました。ただし、日本の銀貨は銀としての投資価値はなく、額面以上の価値にはほぼなり得ないものが多くなっています。
一方、世界中で見ると、上記で挙げた銀貨に関しては、おおむね投資目的で発行されているものですので、価値は銀地金相場に基づくものとなります。銀の相場は日々変動しています。過去10年では一時期下落傾向がありましたが、コロナ禍以降は価値が上昇しています。
では、銀貨それぞれにおいて、価値を決める要素は何でしょうか。まず、銀貨に含まれる銀の重量や純度が挙げられます。上記でご紹介した投資目的で発行されている銀貨は、ほぼ銀価格(地金)相場に連動しています。
また、銀貨の希少性がある流通量の少ない銀貨や記念コイン、歴史的価値のある銀貨などの場合は、銀地金相場以上の価値/プレミアとなることがあります。また、鋳造時に瑕疵が生じた、エラーコインも希少性があるものと判断されます。
さらに実際に売買する場面では、上記の相場変動のタイミングのほか、同じ銀貨でも保存状態が影響し、買取業者によって提示価格が異なる場合があります。
銀貨を高く売るためのコツ
それでは、今、お手元に銀貨があり、売りたいと考えている方に、売却方法の手順や注意事項をご紹介いたします。
わずかな差で資産価値も上がり、買取り額もUPします。いくらくらいになるか知りたい人、今後銀貨での投資をお考えの方も参考にしてください。
●銀相場をチェックする
上記でご紹介の通り、銀相場は上下しています。やはり、銀相場の上がったタイミングで売却することで、より利益を上げられることは明らかです。もしお手元に保有している銀貨があれば、日常的にその銀貨のおおよその相場を把握し続けていると、売却や査定に出ことを考えたときには、参考にしやすい指標となります。
●付属品はそろえる
もし、銀貨が専用のケースに入れられており、証明証がある場合には、そのままの状態で保存し、売却や査定に出す際にも提出することで銀貨の価値が高まる場合があります。特に、記念銀貨は特に付属品の有無が重要視されやすいと言えます。
●良好な保管状態を保つ
銀はご承知の方も多いと思いますが、自然と黒ずみが生じることがあります。つまり保管状態によっては、銀貨が劣化する可能性があるものです。もちろん、未使用の美品が最も価値がありますが、直射日光や高温多湿な場所を避けて保管することが大切です。密閉されているブリスターパックに封入されていれば、変色は生じにくくなっています。取り出せる状態であれば、埃は柔らかい布で軽く拭き取り、過度なメンテナンスは避けるようにします。
●まとめて査定に出す
複数枚の銀貨を売りたい場合、まとめて売ることで買取価格が上がる可能性があります。
記念硬貨の場合、金貨と銀貨、白銅貨、銅貨など素材の違う硬貨がセットで当初から発行される場合があります。こうした記念硬貨は、セットのままそろえて査定に出すと、買取価格が上がりやすいものとなります。
これで万全！ 銀貨の価値を見極めて、資産運用や投資の一つとして活用しよう！
これで銀貨の価値はおわかりいただけましたでしょうか。銀貨による資産運用や投資をお考えの際は、こちらでご案内したことをうまく活用してくださいね。
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