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水彩画の有名な画家と代表作は?水彩画の種類と価値のポイント

私たちに一番馴染み深い絵画の技法は、なんといっても水彩画ですね。小学校や中学校でチューブの絵の具を絞り出し、パレットで薄めながら画用紙に絵を描いた体験や思い出をどなたもお持ちだと思います。絵の具自体の取り扱いが容易で、後片付けも便利な水彩画ですが、その技法には奥深いものがあります。子どもたちを描いた作品で知られているいわさきちひろの描く水彩画は素敵な作品で、今でも水彩画展は人気があります。
今回は水彩画についてご紹介いたします。

 

水彩画の基礎知識
●水彩画とは?
水彩画とは、水で溶かして使う絵の具を用いて描かれた絵のことです。画材の水彩絵具には、透明水彩と不透明水彩があります。
以下で水彩画の種類を解説いたします。

●水彩画の種類
(1)透明水彩
色の成分である顔料に比べて、糊の成分であるアラビアゴムの割合が多く調合された絵の具です。顔料が少ないため透明性が高く、下地を透過させやすいので、塗り重ねた色合いで微妙な表現が可能となります。一般的に水彩画と言われる作品はこちらの絵の具が多く使われています。

(2)不透明水彩
透明水彩に比べて顔料の割合が多く、絵の具に光を通さないため下地を隠し、不透明に見える絵の具です。油絵具のように塗り重ねたり、乾いてから修正したりすることが可能です。私たちが小学校や中学校で使用する絵の具はこの不透明水彩で、ガッシュとも呼ばれています。

●水彩画の魅力
・透明感と柔らかな色調
透明水彩では、下の色が透けて見えるため、重ね塗りによって奥行きや複雑な色合いを表現しやすくなり、水で薄めて使うため、油絵に比べて柔らかい色合いになりやすくなります。油彩画のカチッとした色合いと真逆の表現が水彩画では可能となります。

・にじみとぼかし
水彩画では、水彩紙・画用紙など吸水性が高く、にじみやぼかしが美しく表現できる紙が使われています。絵の具を薄める際に、水分量を調整することで、絵具が紙ににじむ効果を出せるようになります。輪郭線を描かずに、境界線をぼかすことで、柔らかな印象や奥行きを出すことが可能となります。

●水彩画の保管方法
一般的に、水彩画は耐久性に優れていないといえます。水彩絵具は水で溶いて使うため、色あせが進みやすいと言えます。また、描く紙面の変色や劣化が起こります。
水彩画は湿気や紫外線に弱いため、直接日の当たらない、乾燥した場所で保管することが望まれます。

  

水彩画の有名な画家と代表作
次に、私たちが水彩画作品を目にすることが多い、海外と日本の画家をご紹介します。

  

●【海外】水彩画の有名な画家
・アルブレヒト・デューラー
(1471年 ‐1528年)
ドイツの画家・版画家で、ルネサンスの天才画家・水彩画の第一人者として挙げられています。ぼかしやにじみなどの水彩ならではの特徴を巧みに活かし、風景をはじめ植物や動物などの細密な水彩画を描きました。
代表作:『野うさぎ』『芝草』など

・ポール・サンドビー
(1731年 ‐1809年)
イギリスの水彩画家・版画家で、「イギリス水彩画の父」と評されました。スコットランドやエディンバラ、イギリスやアイルランドの風景や古代遺跡など、数々の風景画を描いたことて知られています。
代表作:『ウィンザー城』『ハーレフ城』など。

・ウィリアム・ブレイク
(1757年 ‐1827年)
ロマン主義の先駆者、イギリスの画家、銅版画家、詩人です。紙に描いた素描に水彩絵の具を塗ったり、エッチングによるデッサンに水彩絵の具で彩色したりしました。生涯を通じて、強烈な宗教意識を持ち続けそれを描いた画家です。
代表作:『無垢と経験の歌』『神曲』など
す。

・ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー
(1775年 ‐1851年)
19世紀にイギリスで活躍した風景画家で、「水彩風景画や海洋絵画における偉大なイギリスの巨匠」と認識されています。当時のテクノロジーに関心を持ち蒸気機関車や蒸気船を描くなど、当時のイギリスの現実の風景を描きました。鮮やかな光の描き方から「光の画家」と呼ばれ、明確な輪郭線を持たない、おぼろげな作風が特徴です。
代表作:『解体されるために最後の停泊地に曳かれてゆく戦艦テメレール号』など

・マリー・ローランサン
(1883年 ‐1956年)
20世紀前半に活動したフランスの女性画家・彫刻家です。キュビスムの作家と言われており、優美な女性たちや花のモチーフを中心として、明るく柔和なパステルカラーを特徴とした作風で人気となりました。
代表作:『接吻』『黒いマンテラをかぶったグールゴー男爵夫人』など

・アンドリュー・ワイエス
(1917年 – 2009年)
アメリカの現実主義(リアリズム)の画家として知られる存在で、20世紀を代表する米国芸術家の一人です。
彼の作品は、繊細でありながら感情的な深みを持ち、アメリカの田舎の風景や日常生活を題材にしたものが多くあります。
代表作:『ヘルガ・テストシリーズ』『クリスティーナの世界』など

・その他、海外で水彩画の有名な画家
使用する技法は油彩画が多いのですが、ゴッホやクロード・モネ、パブロ・ピカソなども水彩画を描きました。

●【日本】水彩画の有名な画家
・吉田博(よしだひろし)
(1876年 ‐1950年)
明治時代の画家で、「絵の鬼」と評されるほど水彩画や油彩画の技術を徹底的に磨き上げた人物と知られています。後半生は木版画注力し、川瀬巴水とともに新版画の旗手として注目されています。写実的かつ詩情がある風景画を描き、自然や山岳画、国内外の風景作品が人気です。
代表作:『月見草と浴衣の女』『雲井桜』など

・西村功(にしむら いさお)
(1923年 ‐2003年)
大阪出身の画家で、3歳の時に聴覚を失いながらも帝国美術学校(現武蔵野美術大学)を卒業、洋画家の道を進みました。初期はプラットホームや駅員、乗客などを描き、その後初めての渡欧でパリに魅せられ、パリの街並みや人々を描いていました。複雑に塗り重ねられた色彩と線によるモチーフの造形が特徴的です。
代表作:『マルセーユ』など

・いわさきちひろ
(1926年12月15日 – 1974年8月8日)
日本を代表する絵本作家・画家で、主に水彩画を用いて柔らかく透明感のある子どもや花を描いたことで知られています。
彼女の作品は、優しさや温かさ、詩的な感性を通じて、多くの人々に愛されています。
代表作:『あいうえおのほん』『おにたのぼうし』など

・その他、国内で水彩画を描いた有名な画家。
日本画家ですが、東山魁夷、平山郁夫、熊谷守一なども水彩を用いた作品があります。

 

現代における水彩画の価値のポイント
私たちには身近な水彩画ですが、有名画家の水彩画では今でも価値のある絵画です。それは、基本的に手描きで1点ものの絵画となるために、希少性が高い傾向があるためです。

   
●有名な画家の水彩画は価値が高い
水彩画の価値は「誰の作品なのか」で変動します。有名な画家や、収集家から人気な画家の作品であれば、水彩画の中でも高い価値が付きやすいものと言えます。
作品によっては数十万円〜数百万円という価値がつくこともあり、2021年に行われたオークションでは、ビンセント・バン・ゴッホの風景画が3590万ドルで落札されたという例もあり、やはり作家の知名度と人気によって、かなりの価値となるケースがあります。

●状態の良い水彩画は価値が高い
古い作品できれいなものは価値が高くなりやすいといえます。水彩画は用紙も絵具も、耐久性がそれほど高くなく、経年劣化しやすい絵画であるためです。「状態が良い」とは、変色や色あせ・退色、紙面のシミやカビの発生、汚れや破れ、折れなどがないものが、水彩画の状態が良いものとなります。

   

有名画家の水彩画ならお宝に!まずは、査定に出してみよう!
最後に、お手元に水彩画があり、そちらの水彩画を買取に出す際のポイントについてご紹介します。
まずは、作品のコンディションが価値を左右します。変色や色あせ・退色、紙面のシミやカビの発生、汚れや破れ、折れなどがないものがあると、残念ながら買取価格のマイナスポイントとなります。
そして、一番のポイントは上記で上げたようにどの作家の作品かということが大きく影響します。
その他、水彩絵の具と他の技法を用いたミクストメディア作品でも、人気作品があります。
もし、今回ご紹介した作家の作品がございましたら、ご売却をお考えの際に、水彩画買取の実績ある骨董品買取こたろうまでお問い合わせください。

  

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