仏像を処分する正しい方法とは?遺品整理に関するポイントや注意点を解説!
仏像を処分するにあたって「ゴミとして処分してしまって良いのか不安」「処分すrための手続きはどこで進めるんだろう」と疑問に感じますよね。
ご自宅に保管されている仏像は、保存状態によっては骨董品として買取できる可能性があります。スムーズに処分するためにも、適切な手放し方を確認していきましょう。
本記事では、仏像を処分する方法ついて紹介し、損しない売却方法についても詳しく解説していきます。
本記事を読み終える頃には、お手持ちの仏像を処分する方法を理解し、円滑に準備を進められるようになります。ぜひ、最後までご覧ください。
仏像を処分する前の準備2つ
まずは、お手持ちの仏像を処分する前に準備する内容を2つ紹介します。親族の方と話し合いながら準備を進める必要があるため、よく確認しておきましょう。
- 遺言書の有無をチェックする
- 親族に処分方法を相談する
遺言書の有無をチェックする
お手持ちの仏像を処分する際は、遺言書があるかを確認しましょう。なぜなら遺言書には、仏像の処分方法が記載されているからです。
縁起物としてお使われている仏像は、故人からの引き継ぎによって、処分方法が定められていることがあります。
万が一、ご自宅で遺言書が見つからない場合は、公証役場に問い合わせて、公正証書遺言が作成されていないかを確認しましょう。
また、開封できない遺言書については、ご自分の判断で中身を確認してはいけません。偽造を防ぐためにも、家庭裁判所で検認を行う必要があります。
故人の住所地を管轄している家庭裁判所へ連絡して、遺言書の開封を依頼しましょう。
親族に処分方法を相談する
仏像の処分については、親族と話し合いましょう。仏像は故人や先祖の思いが込められた縁起物であり、処分方法によってはトラブルに繋がりやすいからです。
しかし親族全員を集めて話し合うというのは、現実的ではないため、法要時に相談するのをおすすめします。より多くの親族が集まる日程に合わせて、相談を持ち込むようにしましょう。
万が一、日程調整が厳しい場合は、現場にいるものの判断で仏像を処分するのも1つの方法です。
仏像の処分は祭祀財産に該当する
続いて、仏像の処分が祭祀財産に該当することについて、下記の流れで詳しく解説します。
- そもそも祭祀財産とは?
- 回収業者に依頼する相続財産との違い
- 祭祀財産の相続の仕方
それでは、1つずつ確認していきましょう。
そもそも祭祀財産とは?
祭祀財産とは、祖先を祀るために必要な財産のことです。仏像は祭祀財産、遺品は相続財産に該当します。
仏像に限らず、系譜や仏壇、お墓など、一族の催しを行う際に必要なものが祭祀財産として扱われるようです。
なお、祭祀財産の承継については、民法第897条で下記のように規定されています。
民法第897条(祭祀に関する権利の承継)第1項 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。 第2項 前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。 |
相続財産との違い
祭祀財産と相続財産の違いは「相続人の人数」「課税対象」という2つの観点から分けられます。
相続財産は、相続人の間で遺産を分割できますが、祭祀財産は分割できない仕組みになってます。
なぜなら複数の相続人がいた場合、全員がそろわないと、祭祀財産に関わる儀式や法事が実施できないからです。
また祭祀財産は、相続税の課税対象ではないという違いがあります。
ただし、投資を目的とした祭祀財産については、課税対象であることに注意しましょう。
祭祀財産の相続の仕方
祭祀財産の相続対象は、葬儀や法要などを代表して行う「祭祀主宰者」であるのが一般的です。祭祀主宰者は、仏像や仏壇の手入れ、お墓の掃除などを担当します。
また、祭祀主宰者を担当できる人数は1人です。借金によって財産の相続を放棄していた場合でも、祭祀財産を継承できます。
仏像を処分する前に行う閉眼供養とは?
閉眼供養とは、仏像に宿った魂を抜き、役割を終わらせるための法要を指します。
ご自宅に仏像を祀る際は、儀式として開眼供養を行っている場合がほとんどです。宗派によっては「魂抜き」や「お性根抜き」とも呼ばれています。
一般的な閉眼供養は、寺院や僧侶に依頼して実施する場合がほとんどです。閉眼供養でのお布施の相場は、3万5千〜4万5千円となります。
寺院や僧侶と付き合いがない方は、供養仕舞いの専門業者や、儀式を担当する僧侶紹介サイトを活用するのをおすすめします。
仏像を処分する方法4つ
ここからは、具体的な仏像の処分方法を紹介します。詳しい内容は下記の4つです。
- 寺院で処分してもらう
- 粗大ゴミとして処分する
- 仏具店の引き取りサービスを利用する
- 遺品整理業者に引き取ってもらう
寺院で処分してもらう
仏像を処分する方法1つめは、寺院に依頼して処分する方法です。法要でお世話になる際、仏像の処分を依頼することができます。
また、閉眼供養にも対応してくれる寺院なら、併せて依頼できるメリットもあります。仏壇や遺影、仏具の処分についても事前に相談しておくと良いでしょう。
なお、仏像を直接寺院に持ち込めない場合は、同じ宗派で近場にある寺院を利用しても問題ありません。
しかし、檀家以外は受け入れていない寺院もあるため、事前に確認してから持ち込むのをおすすめします。
さらに、仏像を寺院で処分する際は「お布施」として費用がかかるのに注意しましょう。金額は宗派や寺院によって異なり、3〜7万円ほどが相場とされています。
粗大ゴミとして処分する
仏像を処分する2つめの方法として、粗大ゴミとして処分する方法が挙げられます。
閉眼供養が済んでいる仏像なら、粗大ゴミとして捨てられます。小さいサイズの仏像なら、可燃ゴミや不燃ゴミとして捨てることも可能です。
仏像の素材やサイズによって捨て方が異なるため、捨てる前には自治体に確認して、適切な方法で処分しましょう。
なお、魂が宿ったままの仏像を捨てる行為は、一般的に好ましくないとされているため注意しましょう。
仏具店の引き取りサービスを利用する
仏像を処分する3つめの方法には、仏具店の引き取りサービスを利用する方法があります。
仏壇や仏具を販売している仏具店では、仏像の引き取りにも対応している店舗もあり、1〜3万円ほどで回収してもらえます。
なお、仏具店で引き取ってもらう場合は、合同供養として仏像をまとめてお焚き上げするケースが多いようです。
また、利用する店舗によっては、仏像のサイズや運搬に伴って手数料が発生する可能性もあることに注意しましょう。
引き取りサービスを利用する際、事前に手数料について確認してから依頼するのをおすすめします。
遺品整理業者に引き取ってもらう
仏像を処分する方法4つめは、遺品整理業者での引き取りです。遺品を総合的に取り扱っている店舗なら、他の遺品もまとめて整理できるメリットがあります。
引き取りには費用がかかりますが、遺品買取との相殺で費用が軽減されるケースもあるでしょう。
また遺品整理業者には、処分を専門的に実施している店舗もあり、供養については実施していないことが多いようです。
遺品整理業者をご検討中の方は、閉眼供養を完了させてから依頼すると、スムーズに取引できるでしょう。
仏像を処分する時の注意点
次に、仏像を処分する時の注意点について、下記の2つを紹介します。
- 買取できない仏像もある
- ゴミとして処分すると費用がかかる
ここから順番に確認していきましょう。
買取できない仏像もある
仏像の中には、買取の対象外となる種類も存在することに注意しましょう。
買取できる仏像の例としては、年代物や丁寧な細工が施されているものが挙げられます。
年代の浅い作品や、特殊な細工がない作品は、価値がないと判断されてしまう可能性があることを押さえておきましょう。
一方、近現代では有名な仏師もいるため、美術品としてお持ちだった仏像が、高価な査定となるケースもあるようです。
また、彫刻家が原型を制作したブロンズの仏像も、美術市場で流通しており、引き取ってもらえる可能性があります。
ゴミとして処分すると費用がかかる
仏像をゴミとして処分する場合、費用が発生するケースが考えられるでしょう。なぜなら、50cm以上の仏像の処分は、粗大ゴミとして扱われるからです。
具体的な費用は、仏像のサイズや自治体によって異なります。一般的には200〜2,000円ほどに定めていることが多いようです。
お手持ちの仏像をゴミとして処分する予定の方は、お住まいの自治体で、捨て方や費用を確認してから処分するのをおすすめします。
仏像の処分についてよくある質問
最後に、仏像の処分についてよくある質問に回答していきます。本記事で紹介するのは下記の3つです。
- そもそも仏像とは何ですか?
- 仏像の種類には何がありますか?
- お焚き上げできない仏像はどう処分するべきですか?
そもそも仏像とは何ですか?
仏像とは、仏の姿を表現した仏教の信仰対象である像のことです。「悟りを開いた者」や「真理に目覚めた者」という意味が込められています。
本来は「釈迦如来」「阿弥陀如来」などを指しますが「祖師像」や「天部像」「明王像」などを総称して「仏像」と表します。
仏像の種類には何がありますか?
仏像は大きく下記の4種類に分けられます。
- 如来
- 菩薩
- 明王
- 天部
また、金属製や石造、木造など、さまざまな材質が使われているのも特徴の1つです。仏の姿が書かれた掛け軸や仏画が祀られるケースもあるでしょう。
お焚き上げできない仏像はどう処分するべきですか?
お焚き上げできない仏像は、廃棄物として処分する方法が最適です。金属製や石造などの仏像は燃えないゴミとして、自治体や業者に引き取ってもらえます。
特に石像は、自治体などでも引き取ってもらえないケースがあるため、供養仕舞いの専門業者に依頼する必要があります。
お焚きあげや廃棄処分をした仏像は、元の状態を再現できないため、家族や親族と話し合いをして、処分する準備を進めましょう。
まとめ
本記事では、お手持ちの仏像を処分する方法や注意点について詳しく紹介しました。
仏像の処分方法には、さまざまな選択肢があり、どの方法においても「閉眼供養」を済ませた状態で取り組むのがポイントです。
なお、引取サービスを利用する予定の方は、仏像に価値がないかを事前に鑑定するのもおすすめといえます。
遺品買取として専門店に依頼し、損しない処分方法を検討してみてください。
こたろうでは、骨董品査定に加えて、遺品買取にも対応しています。無料鑑定も実施しているため、まずは気軽に相談してみてください。
詳しい情報に興味がある方は、下記から確認して、無料相談から利用してと良いでしょう。